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なぜ、スバル「レヴォーグ」は今年のイヤーカーに選ばれたのか?

2020.12.12

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 今年度の日本カー・オブ・ザ・イヤーの大賞を受賞したスバル「レヴォーグ」には、僕も票を投じた。理由は2つある。1つは、頃合いのボディーサイズのステーションワゴンとして完成度が高く、特に旧型に乗っていたユーザーからすると、ほとんどすべての点が改善され、進化が見られること。

 ステーションワゴンというクルマは高いレベルでの多用途性が必要とされていて、ただ“走りが良い”だけでは務まらない。ひとりで運転して仕事に向かう時もあれば、家族や仲間とアウトドアスポーツやキャンプなどに出掛ける時まであって、使い途が幅広い。だから、高速道路の渋滞を走ることもあれば、吹雪の雪道を進まなければならないこともある。さまざまな道路状況にあっても、安全かつ快適に走り続けることができなければ、第一級のステーションワゴンにはなれないのだ。

 もともと、スバルは長年にわたってステーションワゴンを造り続けてきた。日本市場専用車として始まった「レヴォーグ」も、今では海外輸出されている。「レヴォーグ」が評価されてきたのは、多用途性と走りの良さが高いレベルで両立されてきたからだ。今度の「レヴォーグ」でも抜かりはない。

 高速道路では安定し、峠道ではクルマが自分の手足となったようにビビッドに反応しながらも、懐深い安心感も併せ持っている。ステーションワゴンで大切な使い勝手の良さも美点のひとつだ。すべて、スバル開発陣の真摯な仕事の積み重ねによるもので、いつも脱帽させられてしまう。

機械として優れているか? ★★★★★ 5.0(★5つが満点)

 2つめの理由はオプションの「アイサイトX」が優れていることだ。運転支援機能として、スバル初のレーンチェンジアシストが可能となった。ウインカーを出すと、側方や後方から接近してくるクルマの存在と速度差を把握し、安全だと判断したらハンドルを回し、レーンチェンジをアシストしてくれる。

 安全に寄与し、特に長距離運転時にドライバーの負担を軽減するこの機能は、これからの時代における「運転の自動化」で避けて通れない重要な機能だ。メルセデス・ベンツとBMWなどの上位モデルやテスラ各車、日本車でもまだレクサス「LS」や日産「スカイライン」のトップモデルなどにしか、まだ設定されていない先進的な機能だ。「レヴォーグ」の価格とコストを考えたら、採用に踏み切ったのは大英断だ。

「アイサイトX」のドライバーインターフェイスも大きく進化した。フルデジタル化されたメーターパネルは使い方によって3通りに表示を変換できる。運転支援機能を働かさせる際の画面を助手席から撮影したので、ご覧いただきたい。速度など必要最小限に止め、画面いっぱいに自車と周囲のクルマと車線が現われ、ひと目で運転支援機能がどのように働いているかを確認することができる。

 完全自動運転はまだ先の話で、今はドライバーがつねに運転を行っていなければならない段階だから、表示はとても大切だ。現在の日本車で最もわかりやすい表示ではないだろうか。「アイサイトX」は絶対に注文して装着するべきだ。欠点と言われてきたCVTトランスミッションの悪癖も改善されている。GTモデルとSTIモデルの違いは明確に存在しているが、GTであっても不満に感じることはなかった。

商品として魅力的か? ★★★★ 4.0(★5つが満点)

 新型「レヴォーグ」は機械としてとても優れている。旧型ユーザーだったら、全方位的なアップデートにすぐに気付くだろう。では、旧型ユーザーが先を争って、新型を購入しようと思うだろうか?そこがクルマという商品の難しいところで、新型が進化したことを理解できていても「同じ方向性なら、アセることはないか。自分のクルマには愛着もあるし」と積極的になってくれないものだ。

 同じことは言えて、今までスバルに縁のなかった人たちにも響かない。「方向性が同じだったら、自分には縁のないクルマなわけだから」と迷わずスルーされてしまう。下手したら、無理解から「同じようなことを、まだやっているんだ!?」と訝しまれておしまいだ。マジメで優れていることは素晴らしいことで、スバルのその姿勢はこれまでも高く評価されてきた。

 だが、リピーターの眼を覚まさせ、新規顧客を振り向かさせるのには、なにか“新しい発想”や“面白いアイデア”が必要だ。今までに誰も思い付かなかったようなアイデア、考え方、フック。これまでのスバルの独自性は、今まで他のメーカーがやらなかったことや考え付かなかったアイデアを実現したから培われてきたのではないか?

 まだ、レジャーという言葉すら一般的でなかった時代に「レオーネ・エステートワゴン」に4輪駆動を組み込み、本格的なステーションワゴンを生み出した。「ドミンゴ」という面白い小型ミニバンもあった。それらはみんな新しい発想と考え方によって生み出されたのではなかったか?

「レヴォーグ」は完成度が高く、とても良いクルマに仕上がっている。だからがゆえに期待が高くなって、そのカラを打ち破る“新しい何か”が欲しかった。改善や進化は大切だけれども、かつてのスバル車が持っていた“脱するチカラ”を見てみたかった。同一車線内をずっと進むのではなく、アイサイトXのレーンチェンジアシストのように車線を新しく変えて加速してもらいたい。

 より視野を広く取った成果を期待している。

■関連情報
https://www.subaru.jp/levorg/levorg/

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

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