
この1年を総括し、話題になったヒト、モノ、コトを、読者の投票を反映して表彰する、本誌恒例企画「DIMEトレンド大賞」。33回目となった今年は、7つの部門賞と2つの特別賞が選出された。まずは最終選考委員の4人が、印象に残った2020年のトレンドを語った。
【選考基準】
2万6000通もの読者投票をもとに、編集部と4人の選考委員が各部門賞を選出。その中から、栄えある2020年の「DIMEトレンド大賞」が決定した。
放送作家・脚本家 小山薫堂さん
10年以上選考委員を務める重鎮。その慧眼で将来性を見据えたトレンドを読む。
タレント 眞鍋かをりさん
生活密着の女性目線からトレンドをウオッチ。実用に根差す分析に定評がある。
コロナ禍の消費スタイルが数々のヒットを生み出した
安田 2020年は「コロナ対策」「巣ごもり売れ」「テレワーク需要」、さらに「休日充実」「新通勤スタイル」「エンタメ&コンテンツ」などのジャンルから、ヒット商品やサービスが生まれました。
小山 IT部門では『Zoom』が今年の象徴ですね。リアルな会議には「圧の強い人」が発言しやすい雰囲気がありますが、Zoomの画面上では、上司も部下も同じ大きさで表示されるので、会議をフェアにしたと感じています。参加者の存在を平等にしたことで、おもしろいアイデアが出やすくなったと思います。
ヒャダイン 背景を変えられるなど、ちょっと先回りした機能もよかったりして、Zoom飲みも流行りましたよね。
安田 Zoom映えを意識して、化粧水の浸透量をアップさせるパナソニックの『スキンケアシェーバー ラムダッシュ』も人気でした。
ヒャダイン 男性は自分の顔をしっかり見ることが少ないので、画面に映った顔を見て、スキンケアに走ったわけですね(笑)。
安田 調理家電は炊飯器やホームベーカリーが好調で、ほったらかし家電では、パナソニックの『電気圧力なべ』もヒットしました。
眞鍋 家族全員がいつも家にいると、3食の準備がかなり大変なんですよ。働くお母さんはけっこう使っていましたね。
ヒャダイン 14分でごはんが炊ける『おひとりさま用超高速弁当箱』は、QOLが上がるおひとりさま家電の象徴ですね。
安田 会社に持ち込んでデスクで炊く人もいるようですよ。
眞鍋 会社で!? 炊飯時のニオイはどうしているのかしら(笑)。
小山 自分がレモン好きということもあって『檸檬堂』はよく飲みました。クオリティーが高くとてもおいしいですね。コカ・コーラがアルコール飲料を出すというのも時代の流れを感じます。
ヒャダイン 筋トレをきっかけに、食生活を見直したこともあり、糖質制限をしながら手軽に栄養のとれる『明治TANPACT』も評価したいですね。体にとって付加価値のある商品は、時代に合っていると思いますね。
眞鍋 ビール党としては『キリン一番搾り 糖質ゼロ』『明治TANPACT』ともに女性ウケがいいですよ。
小山 エンタメでは『ネットフリックス』かな。数年後に〝ここからテレビ時代の終焉が始まったのか〟と振り返ることができるかもしれないですよ。
ヒャダイン 『鬼滅の刃』も外せませんね。子供から年配まで浸透し社会現象になったコンテンツは久々じゃないですか。
眞鍋 周りから入る情報だけでストーリーから登場人物のキャラまでわかっちゃうのはすごい。情報をシェアすることでブームが生まれる典型だと思いますね。
ヒャダイン ホビー系では、外出自粛中『あつ森』にお世話になりました。争いのないハッピーな世界観は、人と会えない巣ごもり需要にもマッチしました。
安田 ユニクロの『エアリズムマスク』など、日用品から多くのヒット商品が出たことも特徴ですね。
ヒャダイン いろんな問題はありますがUber Eatsは外せないかな。
眞鍋 コロナ禍でしたが、去年よりも認知されたヒット商品が増えている感じがしますね。
安田 大企業も小さな会社もがんばりました。さて、2020年のトレンド大賞の発表といきましょうか。
音楽クリエイター ヒャダインさん
幅広いジャンルのトレンドに精通。時代をふまえ、トレンドの本質を読み解く。
本誌編集長 安田典人
数値データをもとに多角的にトレンドを見渡し、動向やヒットの可能性を読む。
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構成/編集部
文/安藤政弘
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