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乗ってわかったホンダ初の量産型EV「Honda e」の評価が高い理由

2020.12.05

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 ホンダ初の量産EV(電気自動車)としてデビューした「HONDA e」。国内計画分の1000台のうちの第1期分の数百台が販売され、第2期分も受注が開始され話題になっている。主に街乗りで使われることが想定されていて、ボディーサイズも全長3895x全幅1750x全高1510mmとコンパクト。

機械として優れているか? ★★★★★ 5.0(★5つが満点)

 街中に走り出して驚かされるのは、その最小回転半径の小ささだ。同じホンダの「フィット」が4.7m、軽自動車の「N-BOX」が4.5mなのに対し、「HONDA e」は4.3mしかない。その違いから受ける感触は数値以上だ。Uターンしてみると、路肩にたっぷりと余地を残しながら軽々と回り、小回りができる。細い道の角を曲がる時も余裕だ。

 小回りを可能にしているのは車体の後部にモーターを搭載し、後輪を駆動する「RR(リアモーター、リアドライブ)」レイアウトにある。コンパクトカーでは、一般的な前輪駆動と違って、クルマの前部にスペースを占有するパワートレインが搭載されていないため、「HONDA e」の前輪は端から端まで目一杯切れる。街乗りを重視するクルマに最も必要なのは小回りが効くことだから、コンセプトは実を結んで成功していると言えるだろう。

 クルマの後部にモーターを搭載することのメリットは、小回りの他に、実はもうひとつある。モーターという重量物を駆動輪である後輪の上に搭載することによって、常にしっかりとタイヤに駆動力を掛け続けることができるのだ。加減速や路面状況などの変化に左右されることなく、タイヤは着実に路面をグリップし続ける。回生ブレーキを多用する電気自動車では、路面へのタイヤの着実なグリップは特に重要となる。

 その点で「HONDA e」の走りっぷりには鮮烈なものがある。滑らかで力強いモーターの力が漏れることなく、路面に伝わっていく様子は、とても上質な運転感覚だ。電気自動車ならではであり、RRレイアウトならではの特徴となっている。

 これまでのRRレイアウトのクルマの中には、後部が重くなり過ぎることによってバランスが偏り、コーナリングが不安定になってしまうような弱点を持つものもあった。しかし、「HONDA e」は前後の重量配分を50対50となるよう設計されているのと同時に、なんと左右の重量配分も50対50に仕上げられているのだ。幹線道路や高速道路、峠道などでも優れた走りっぷりを見せてくれた。

「HONDA e」には、2グレード設定されている。「HONDA e」と「HONDA e Advance」。外観上の違いはないが、モーター出力と各種装備の違いから航続距離が異なっている。「HONDA e」のモーターの最高出力が100kW(136ps)/3078-11920rpmなのに対し、「HONDA e Advance」のそれは113kW(154ps)/3497-10000rpm。最大トルクは同じで、315N・m(32.1kgf・m)/0-2000rpm。

 電気自動車の性能を示す指標のひとつが航続距離(WLTCモード)だが、「HONDA e」が283kmであるのに対し、高出力モーターを搭載した「HONDA e Advance」が259km。両グレードに搭載されるバッテリーの容量は35.5kWhと同じだが「Advance」はモーターの他にタイヤ(17インチ)や装備も若干異なっていて重量がかさむために航続距離が約1割短くなっている。航続距離の長さを重視するか、それとも高出力モーターや大径タイヤなどの“走りのパフォーマンス”を選ぶか、使用目的に合わせて選びたいところだ。

商品として魅力的か? ★★★★★ 5.0(★5つが満点)

「HONDA e」は魅力に溢れている。まず、その愛らしいルックスだ。最近のクルマが、どれも異形ヘッドライトを採用して、怒ったような表情に見えてしまう中にあって「HONDA e」の真ん丸で大きなヘッドライトは優しく微笑んでいるようだ。光線と角度によっては人間や動物の顔に見えてくる時もあり、優しく穏やかな気持ちにさせられる。丸いヘッドライトは昔のクルマを想像してしまうが、最新のLEDデイタイムランニングライトおよびプロジェクタータイプのオートライトコントロール機構付きのLEDヘッドライトが装備されている。

 後ろに回ると、もう一度驚かされる。同じように真ん丸で大きなテールライトユニットが左右に配されて、ヘッドライトと対になっている。このデザイン手法も最近では珍しく、和やかな表情なのに先進的なところが大きな魅力になっている。標準装備されたサイドカメラミラーシステムも機能だけでなく、ボディ造形に上手く溶け込んでいて、スッキリ見える。「HONDA e」には、電気自動車としての先進性だけではなく、造形の新しさも大きな魅力として備わっている。

「HONDA e」のインテリアには、外観以上に先進的な造形が施されている。まず、ドアを開けて驚かされるのが、12.3インチ画面を2つ並べた横長のモニターパネル。スピードなどのメーター類とカーナビモニターなどをひとつのパネルにつなげて、タッチおよび音声で操作することができる。機能は多彩で、ナビゲーション、音楽、各種設定などを同時にふたつ表示させながら操作することができる。

 また、SIMカードが内蔵され、インターネット接続が可能で、各種アプリをダウンロードして使用することもできる。と同時に、車内ではWi-Fiが使用可能となるので、乗員が各々の端末でインターネットに接続することができる。もはや「HONDA e」の車内は「運転操作をする」だけの空間ではなく、インターネット接続を活用することによって、様々なことが可能となった。「車内に滞在する時間をどう充実させるか?」という課題は急速充電中の電気自動車にとって切実でもあるが、それに対するひとつの回答になっている。

 コンソールに配された木目調パネルやメランジェ調のシート生地など、従来のカーデザインに捉われない素材使いにも好感が持てる。それは、車内で過ごす時間をいかに快適にするかという課題にも直結していて「HONDA e」流に応えている。ニュースなどから、よく「クルマは100年に一度の変革期にある」と聞く。変革の具体例として挙げられるのが、「CASE」という言葉だ。Connectivity(インターネットへの接続)、Autonomous(自動運転化)、Sharing(シェアリング)、Electlification(電動化)の頭文字をつなげたもの。

「HONDA e」は、現時点で実現可能な技術を用いてすべての課題に対応している。CとEについては前述したが、Aも渋滞追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)とLKAS(レーンキープアシスト)機能が装備されている。Sについても、ホンダのカーシェアリングサービス「Every Go」(エブリゴー)で借りて利用できる。やがて、サブスクリプション型などに発展していくのだろう。

「HONDA e」はホンダの4輪車のラインアップの中で、現在、最も先進的なクルマだ。メーカー希望小売価格は「HONDA e」が451万円で、「HONDA e advance」が495万円(消費税込み)と安くはない価格だが、それだけの内容と魅力を持っている。誰でも満足できる資質を備えているが、特に勧めたくなるのは“小さな高級車”を探しているベテランドライバーだろう。小さくても上質で、ホンダらしい“アタラシモノ”感にあふれているからだ。

■関連情報
https://www.honda.co.jp/honda-e/

文/金子浩久(モータージャーナリスト)

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