
テレワーク増加により、会議、商談、MTGなど多岐にわたる場面でモニター越しの通話が主流になってきている。業務には支障はないものの、同じ空間で共に働く共有感が損なわれ、結果として仕事へのモチベーションが下がってしまったという人もいるのではないだろうか?
今回、株式会社月刊総務は、全国の総務担当者を対象にモチベーションに関する調査を実施し、253名から回答を得た。以下にて詳細を説明していく。
94.5%が新型コロナウイルスの感染拡大以降、社員同士が対面で会う機会が減った
新型コロナウイルスの感染拡大以降、社員同士が対面で会う機会に変化があるか尋ねたところ、「とても減った」「やや減った」が合わせて94.5%と、ほとんどの会社で社員同士が対面で会う機会が減っていることがわかった。(n=253)
2020年は対面での社内イベントが全体的に減少。特に「新年会・忘年会」「歓送迎会」が2019年と大きな差
対面で実施した社内イベントについて、2019年に実施したものと2020年に実施した・これから実施予定のものを質問した。2020年は全体的に減少傾向で、特に「新年会・忘年会」「歓送迎会」は2019年と2020年で実施状況に大きな差があることがわかった。(n=253)
2019年は70.8%がオンラインでの社内イベント実施なし。今年は半数以上が社内研修をオンラインで実施
オンラインで実施した社内イベントについて、2019年に実施したものと2020年に実施した・これから実施予定のものを質問した。「何も実施していない」は2019年が70.8%だったのに対し2020年は22.5%と、8割近くの企業が何かしらの社内イベントを実施・あるいは実施予定であることがわかった。また、実施内容は「社員研修」が52.2%でもっとも多く、社員研修は対面からオンラインへの移行が進んでいることがわかった。(n=253)
社員同士で顔を合わせる機会が減ることで「モチベーションに影響がある」は82.6%
社員同士が顔を合わせる機会が減ることで、モチベーションに影響はあると思うか尋ねたところ、「ある」が82.6%、「ない」が17.4%という結果となった。(n=253)
テレワークで72.3%が「気軽なコミュニケーションが取りにくくなった」
テレワークを実施している企業に対し、テレワークの推進により気軽なコミュニケーションの取りやすさに変化があるか尋ねたところ、「取りにくくなった」が72.3%、「変わらない」が19.2%、「取りやすくなった」が8.5%という結果となった。(n=177)
テレワークで84.2%が「会社と社員とのつながりに課題を感じている」
テレワークを実施している企業に対し、テレワークの推進により、会社と社員とのつながりに課題を感じているか尋ねたところ、「感じている」が84.2%、「感じていない」が15.8%という結果となった。(n=177)
<具体的な課題 / 一部抜粋>
・対面での集まりの再開時期の判断が難しい。
・雑談がなくなりコミュニケーションが不足。
・既存社員のような関係性を持てないままテレワークが発生し、とくに新卒の定着が難しい。
・ロイヤリティのあり方の変化 組織への帰属意識の弱体化。
・会社の方針やビジョンに対する熱が伝わりにくい(受け取る側の解釈レベルに左右される)。
テレワークで79.1%が「会社の方向性を社員に伝えにくくなった」
テレワークを実施している企業に対し、テレワークの中で、会社の方向性を社員に伝えることができていると思うか尋ねたところ、「とても伝えにくくなった」「やや伝えにくくなった」が合わせて79.1%と、約8割の企業がテレワークにより会社の方向性を社員に伝えにくくなったことがわかった。(n=177)
会社の方向性を伝えにくくなったことで、95.7%が「社員のエンゲージメントが低下」
前問で伝えにくくなったと回答した企業に対し、会社の方向性を伝えにくくなったことで社員のエンゲージメントに変化はあるか尋ねたところ、「とても低下している」「やや低下している」が合わせて95.7%と、ほとんどの企業が社員のエンゲージメント低下を感じていることがわかった。(n=140)
<エンゲージメント低下を感じる場面 / 一部抜粋>
・会社より次年度方針説明でも無関心。
・問いかけへの反応の希薄化や意見の発出率の低下。
・社員の本当の声が届きにくくなった。 伝言ゲームがとても多い。
・若手社員で退社する人数が増加した。
・聞いてない、知らないという受け身の社員の増加。
・目先のこと(働き方改革やコロナ禍)に対する、会社への批判が多くなっている。
・できるだけ出社しないで済ませられるように、自分の都合を人に押し付けようとする社員が増えているように感じる。
・イベントに積極性を感じなくなった時。
・会議出欠の反応遅く、オンライン会議では参加遅刻が多い。
■総評
今回の調査では、テレワークにより社員同士が対面で会う機会が減ったことなどの要因により、モチベーションやエンゲージメントの低下という課題が生じていることがわかった。
この約半年間で急激に進んだテレワークが、これからのニューノーマルな働き方として定着しつつあることで、社員のモチベーションやエンゲージメントの低下などの問題が顕在化し始めている。総務は、社員の声を吸い上げて経営にフィードバックするとともに、コミュニケーション施策を状況に合わせてアップデートしていくことが求められる。
<調査概要>
調査名称:モチベーションに関する調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間: 2020年10月20日〜10月26日
有効回答数:253件
出典元:株式会社月刊総務
構成/こじへい
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