過激な内容で物議を醸したAmazon Prime Videoの社会風刺コメディ映画「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」
2021.01.04
アメリカで大ヒット、日本のAmazon Prime Videoレビューでも高評価。
2020年11月よりAmazon Prime Videoにて独占配信中の映画『続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』は、猛毒のような社会風刺コメディ。実在の人物が大勢登場する、ドキュメンタリー風フィクションだ。
2006年に公開された映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』の続編である本作は、かなり過激で挑戦的な内容であるため物議を醸した。
各方面から猛抗議を受け、複数の訴訟にまで発展。超問題作としても注目を集めている。
あらすじ
前作『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』の中でカザフスタンの名誉を傷つけた罪で、14年間収監されていたカザフスタン人ジャーナリストのボラット(サシャ・バロン・コーエン)。
ナザルバエフ大統領によって釈放されたボラットは、アメリカのトランプ大統領に文化大臣兼ポルノスターである猿のジョニーを貢ぎ物として捧げるという重要任務を命じられる。
しかしボラットはトランプ・インターナショナル・ホテル&タワーの植込みで排泄行為をしてしまった過去があるため、トランプに合わせる顔がない。
代わりに、トランプの右腕であるマイク・ペンス副大統領にジョニーを貢ぐことになる。
アメリカでジョニーの到着を待っていたボラットがコンテナを開けてみると、娘トゥーター(マリア・バカローヴァ)が飛び出す。
こっそり忍び込んだトゥーターによって、ジョニーは食い殺されていたのだ。
ボラットは、ジョニーの代わりにトゥーターを貢ぎ物にすることを決意する。
見どころ
ボラットもトゥーターも、一見良識や恥じらいのかけらもない傍若無人なキャラクターとして描かれているが、過酷な環境の中で心を麻痺させて生き延びるしかなかったのだろうか。
ここまでやってしまっていいのかとハラハラする、ドギツイ下ネタやブラックジョークの数々。
大勢を敵に回すことを恐れない過激さは、戦う本気度の現れともとれる。
残念ながら、正しいことを上品に訴えるだけでは誰にも話を聞いてもらえないことも多い世の中。
たまにはこんな劇薬も必要なのかもしれない。
映画『続·ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
Amazon Prime Videoにて独占配信中
Courtesy of Amazon Studios
https://www.amazon.co.jp/dp/B08L9W2SCV
文/吉野潤子
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