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「社会課題の解決が企業の経済的価値を生み出す」キリンホールディングス・磯崎功典社長インタビュー

2020.12.24

磯崎功典氏

キリンホールディングス株式会社
代表取締役社長
磯崎功典(よしのり)氏
1953年生まれ。77年キリンビール株式会社入社。88年コーネル大学ホテル経営学部留学。99年ホテル「ホップインアミング」総支配人就任。経営企画部長、キリンビール株式会社代表取締役社長、キリン株式会社代表取締役社長を経て、2015年3月より現職。

不振にあえいでいた海外事業を3年で整理、国内事業を立て直して過去最高益を達成、さらに新たな事業として「ヘルスサイエンス」を立ち上げるなど、強烈なリーダーシップでグループを牽引するキリンホールディングスの磯崎功典社長。今回のコロナ禍にあっても、時代と消費者が求める商品のリリースで快進撃を続ける理由について、話を聞いた。

キリンが得意な技術で、社会の問題を解決する

──2019年2月に発表の長期経営構想「キリングループ・ビジョン2027」と「キリングループ2019年︱2021年中期経営計画」ですが、コロナ禍による進捗への影響はいかがですか?

「キリングループでは、酒類・飲料事業の『食領域』と医薬事業の『医領域』を主な柱としていますが、4月の緊急事態宣言発令以降、料飲店向け業務用ビジネスでの落ち込みや、在宅勤務の増加に伴う自動販売機の利用減などはありました。ただ、医薬事業については、さほど影響はなかったですね」

──世界的パンデミックで、健康や医薬事業への関心がこれまでになく高まっています。

「『キリングループ・ビジョン2027』を発表した際、新たな事業として『ヘルスサイエンス』事業を立ち上げることをお伝えしました。しかしその時は、キリンホールディングスが何をやろうとしているのか、なぜキリンがその事業をやるのかなど、十分な理解を得られていないような状態でした」

──「医と食をつなぐ事業の立ち上げと育成」を新たな成長の柱とし、2027年までに目指すキリングループの姿として「食から医にわたる領域で価値創造し、世界のCSV先進企業となる」という内容でした。

「キリンの歴史を紐解きますと、そもそも〝発酵・バイオ〟の会社なんです。今から113年前に『発酵・バイオテクノロジー』を駆使して参入した事業が『ビール』です。『キリンビバレッジ』や『メルシャン』、そして40年前に新たに参入した医薬事業も、『発酵・バイオテクノロジー』から始まっている。根っこは全部同じなんですね。また2013年からは、『CSV=Creating Shared Value』を経営ビジョンのひとつに掲げています。将来を見据えた時、世の中は不透明かつ不確実で、これまでどおりにはいかなくなる。しかしそんな中でも我々のグループが持続的に成長していくため、経営の柱に置いたのがCSV、というわけです。世の中にあるいろいろな問題や課題を、キリンの得意分野である『発酵・バイオテクノロジー』を使って解決する……これこそが『ヘルスサイエンス事業』の目指すべき道です。今回、奇しくもコロナパンデミックにより、『キリンのやろうとしていることがわかってきた』と言っていただけるようになりました」

──11月にはその「ヘルスサイエンス事業」から、プラズマ乳酸菌配合の機能性表示食品「iMUSE(イミューズ)」シリーズが発売されます。

「免疫機能で初の機能性表示を認められた食品となります。実は私自身、5年にわたり、ずっとこのiMUSEのタブレットを飲み続けているのですが、一度も風邪をひいたことがないんです。個人的にはプラズマ乳酸菌の効果を実感していたのですが、ようやく機能性表示食品、中でも『健康な人の免疫機能の維持のサポート』に関してお墨つきを得たことは、素直にうれしかったですね。日本のみならず、世界中の人々にプラズマ乳酸菌を摂取していただき、免疫を維持し続けることで、ウイルスに負けない体づくりをバックアップしていけたらと思っています。そのくらいすごい素材だと自負しているんです」

変わりかけていた生活スタイルが新型コロナで加速

──クラフトビールが家庭で楽しめる『ホームタップ』や、10月に発売された国内初の糖質ゼロビール『一番搾り 糖質ゼロ』も消費者志向にマッチし、好調です。

「近年、当社は家庭用製品に注力してきたこともあり、現在では家庭用製品の構成比が80%以上になっています。社会変化に伴い、将来への不安が増す中、やがては外ではなく、家庭でもゆっくり食事とビールを楽しむ時代に変わっていくだろうと考えてはいましたが、新型コロナウイルスの感染拡大によって生活スタイルが変わった……というより、変わりかけていたものが加速した、と言うべきでしょうか。自粛期間中に、家で過ごす楽しさを誰もが知ってしまったんですね。やがては、この新型コロナも終息するでしょう。とはいえ、流行前の状態には戻らないと私は考えています。毎日、会社へ通勤せずとも、在宅で十分仕事ができることもわかった。もう皆、その生活に慣れてしまったんですね。そうした意味では、家庭用製品に力を入れてきてよかったなと思いますが、これは読み切ったわけではなく、結果として戦略的に当たったという感じです。ただ、自分が想像していたことがひとつずつピタッ、ピタッと的中するわけですから、ちょっと怖い気もしています」

──今の時代に求められるもの、さらにその先を見据えた製品を世に出すため、どのように考えていらっしゃるのでしょう?

「不安定な時代に人間は何を求めるのか、何を求めたらいいのかは常に考えていますね。それが『社会が抱える課題を解決する会社』という目標につながっていると思っています。私は数年前まで、スイスで開催されるダボス会議に出席していましたが、そこにマイクロソフト社共同創業者の、ビル・ゲイツさんもいらっしゃいました。彼の書物を読むと、『必ずウイルスの時代が来る』とあるんです。100年前にはスペイン風邪、その前にはペストがあり、最近ではSARSやMARSなどの流行もありました。つまり、新型コロナが終息しても、また別のウイルスが流行する時が来る。そう考えていくと、我々はウイルスにかからないよう、自己防衛していかねばならない。そのために必要なのが『免疫』なんです。当社では、すでに35年以上、免疫分野の研究を続けており、プラズマ乳酸菌以外にも社会に役立つ研究成果がまだまだあります。いずれ、消費の中心となる1980年初頭生まれ以降のミレニアル世代、さらに近年はその次のZ世代に注目が集まっていますが、彼らは地球環境に関する意識が高く、ウイルスの発生原因として、地球温暖化も問題視しています。我々の世代と価値観が驚くほど違いますので、彼らが主役となる時代のためにも、感度を高め、常に考えて動き続けることが肝要です。実は今年の新入社員は、そのZ世代でもあるわけですが、新型コロナの影響により、入社式ができませんでした。そのかわりにオンラインミーティングを開催したんです。するとその中で入社のきっかけとして『CSVに対する姿勢、社会課題を解決して、経済的価値を創出するという理念に共感した』という声が多く聞かれました。次の時代のキリンをつくっていく彼らからそうした声が聞けてうれしかったですね」

不安定な時代に人間は何を求めるのかを考えた

磯崎功典氏

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