世界的に知られる経営コンサルタント、大前研一。ビジネスパーソンなら一度はその名前を聞いたことがあるのではないだろうか。マッキンゼーのコンサルタントの元祖として有名で、英国のエコノミスト誌に経済界に影響を与える、5人の「現代社会のグル」の一人として選ばれたことがあるほど、発言力と影響力を持つ人物だ。
本記事では、大前研一が著した数々の経営書、思考本などの中から、特におすすめしたい本を紹介する。論理的思考を持って問題解決へ導く彼のノウハウは、経営者でなくても一読の価値あり。
【目次】
大前研一とはどのような人物?
1943年生まれ、福岡県出身。早稲田大学を卒業後、東京工業大学大学院で修士号を、マサチューセッツ工科大学で博士号を取得している。
その後、日立製作所での勤務を経て、1972年に世界的経営コンサルティング会社マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を歴任し、日本を代表するコンサルタントとなる。
経営のみならず、2011年の福島第一原子力発電所事故の際、対策を当時の菅首相に進言するなど、日本の政治に対する提言も行っており、過去には都知事選への出馬経験もある。
また、教育事業関連会社「ビジネス・ブレークスルー」を設立し、その後株式会社運営による「ビジネス・ブレークスルー大学院大学」を開校。2010年には大学化し、自らが会長に就任している。
活躍の場は日本だけにとどまらず、中国遼寧省や重慶市、天津市の経済顧問やマレーシアの政治家マハティール・ビン・モハマドの参謀など、世界の大企業やアジア・太平洋の国家レベルの経営コンサルタントとしてもその才腕を発揮している。
ビジネスパーソン必見!大前研一に学ぶ経営、思考書
マッキンゼーのコンサルタントの視点から、会社経営とはいかにあるべきか、これからの経営者はどういうことを狙うべきなのかを、時代の状況や経営環境の変化に沿って著した経営書や論理的な思考の方法論を説いた思考書。大前研一の主流ともいうべきジャンルだ。
企業参謀
大前研一自ら、自分の経営書の原点と語る本作。大前研一のおすすめ本などのランキングでも常に上位に入る代表作だ。日立製作所で原子力工学を専門にしていた大前が、まったくの畑違いであったマッキンゼーに入社し、経営について学んだこと、気づいたことを書き溜めた活字にしたものだ。経営者が身に着けておくべき戦略的思考の基本、活用の仕方などがわかりやすくまとめられており、これから経営を学びたい若いビジネスマンにとって最初の一冊におすすめ。
出典 公式サイト|企業参謀
考える技術
複雑化した現代を「思考力格差の時代」と表現し、これからの時代論理的思考がなければビジネスマンとして生き残ることができない、と語る本作。急激に変化する世界経済の中で生き抜くための「考える技術」、論理思考を身に着ける具体的な方法、アイデアの生み出し方、先見性を磨く術などが綴られた、大前流知的パワーアップ法の教科書だ。
出典 公式サイト|考える技術
ビジネス・ウエポン 生き残りたいサラリーマンのための発想術
21世紀のサラリーマンがビジネスの荒波を乗り切っていくため、リストラされない努力より、されても生きていく実力を身に着けてほしいという「サラリーマン・サバイバルシリーズ」のうちの一冊。21世紀のビジネスマンは世界と互角に戦えなくてはならず、そのための武器とは強力な論理力と創造力だと説く。コラム形式で読みやすく、当時話題になったさまざまな企業や事業に対する大前の評価も盛り込まれている。
出典 公式サイト|ビジネス・ウエポン 生き残りたいサラリーマンのための発想術
「7割経済」で勝つ新デジタルシフト
2020年10月に発売されたばかりの新刊。コロナ禍によって人々の消費行動や働き方の変化が起き、経済規模はコロナ前の7割程度まで縮小してしまった。そんな中で、眠っている遊休資産をテクノロジーを活用して利益に変える「アイドルエコノミー」を主軸に、テクノロジーを活用することで従来の業界の役割を根底から覆し、新しいビジネスを生み出している最新のサービスを紹介している。
出典 公式サイト|「7割経済」で勝つ新デジタルシフト
思わぬヒントが見つかるかも?家族や子育て、人生の指南書
ビジネスを通じて世界中を見てきた大前研一が語る人生論や子育て論が詰まった著書には、彼ならではの極意が詰まっている。思いがけず壁にぶつかった時や、これからの人生を見つめなおしたい時、ぜひ手に取ってみてほしい。
親が反対しても、子供はやる
日本の親が思い込みがちな「教育=学校」「教育=先生」という発想は問題であり、世界の中で教育そのものを見直そうという動きが急速に高まっているという。「答えがある時代」だった20世紀には、その答えを先生が教え、それを子供たちが覚えれば通用した。しかし、「答えのない時代」である21世紀は問題を自分で定義し、解決法を自分で考えなくてはならない。そのような時代に親は何をすべきかを、大前が自らの体験を交えて綴った実践的教育論。
出典 公式サイト|親が反対しても、子供はやる
「一生食べていける力」がつく大前家の子育て
「食事中はテレビを消して家族で会話」「家族旅行の計画を子供に立てさせる」など、我が子を「何があっても一生食べていける人間」に育てるために、大前自身が体験した家庭教育の方法論を綴った著書。巻末に長男・創希氏、次男・広樹氏のインタビューも収録されており、子供の視点から客観的に見た意見も読むことができる。子供の自活力を育む実践的なヒントが満載。
出典 公式サイト|「一生食べていける力」がつく大前家の子育て
やりたいことは全部やれ!
遊びや旅行といった自身の趣味のエピソードを多く交え、将来を再設計し見つめなおすための大前流ヒントが綴られた本。「人生を楽しめるうちに楽しめ」「他人を気にせずマイペースを貫け」「やりたいことは先延ばしするな」など、趣味においても世界を股にかけ、ダイナミックに生きる大前研一の生き方を知ることで、自らの人生について改めて考えるきっかけになるかもしれない。
出典 公式サイト|やりたいことは全部やれ!
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文/oki