2010年頃から、アメリカのテスラや日産のリーフなどを皮切りに量産が始まった電気自動車。以降、バッテリーの供給問題などもあり、徐々に進化を続けてきた。最近ではユーザーが望む個性を持った「新世代」が続々と登場。大きな話題を集めている『ホンダe』をはじめ、注目株の4車種を紹介する。
ライター 村田尚之さん
自動車関連の編集プロダクションを経て、フリーランスとして独立。自動車を中心に、航空機や鉄道などの記事を幅広く執筆。
日本発のEV(電気自動車)である日産リーフの登場から10年。街中の景色にもなじみつつあるリーフは、今年9月に世界累計販売台数も50万台を超えた。この数字を見て、多いと感じるだろうか、少ないと思うだろうか。
近年では「2030年までに電動車の販売数を全体の50%に!!」というニュースを目にする。電動車とはEVに限らず、発電や走行にエンジンを使用するハイブリッド車なども含む、大きなカテゴリーのこと。実は日本の新車販売においてEVの割合は1%に満たない。生産台数に限界があるのも事実だが、価格が安くはないうえに、充電設備の問題もあって、シェアの拡大は容易ではないのだ。
だが、自動車メーカーはそんな状況を傍観しているわけではない。従来は環境性能こそ最大のセールスポイントだったが、最近では遊び心や使い勝手のようなプラスαの個性を備えた、新世代モデルを続々と送り出している。
例えば、今年10月に発売された『ホンダe』は「少し先の未来」をテーマに開発されたEV。都市型コミューターとしての性能を重視しており、コネクテッド性能やモダンなデザイン、快適性といったキャラクターを前面に打ち出してきた。環境性能はもちろん大事だが、それをしのぐ魅力をたたえたEVの時代が到来しつつある。
【最注目の4モデル】
省エネ性能だけでない物欲そそる最新EV対決!
〈BestBuy!Point〉心地よい走りと空間、モダンな佇まいが魅力
ホンダ『ホンダe』451万円~
10月30日に発売されたホンダ初の量産EV。シンプルで愛らしいボディーは全長3895mm、全幅1750mmと都市部でも扱いやすく、装備と最高出力の違いによりベースグレートと上級仕様の「アドバンス」を設定。モーターは車体後部に搭載、後輪を駆動する。
【Review】
[インストルメントパネル]慣れは必要だけど多彩な機能が楽しい
メーターのほか、ミラーに代わるモニター、ナビやアプリ用ディスプレイの5面が並ぶ。AI技術を活用した音声認識アプリや、車載通信モジュール「Honda CONNECT」を搭載し、スマホから各種操作も可能。多機能ゆえ最初こそ戸惑うが、直感的に操作できる。
[ドライビングフィール]パワフルにして軽快、そして朗らか
試乗したアドバンスは最高出力154PSのモーターを搭載。ノーマルとスポーツ、2つの走行モードを備えるが、前者でも十分すぎるほどパワフルだ。また、加速感に荒々しさはなく、なめらかにスピードが乗っていくのも印象的だった。軽やかで朗らかな乗り心地も◎。
[バッテリーチャージ]急速充電30分で約80%まで回復!
カタログによるとアドバンスの一充電走行距離は259km(WLTCモード)。スタート時の電池残量は97%で走行可能距離は200km弱。充電警告がついても急速充電30分で80%まで回復できるが、半日100kmを走っても50%強と十分に実用的な値だった。
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