
新型コロナウイルス感染症など、あらゆる病気に負けないための「免疫力」は、日々の食事を改善することで大幅に高められるという。「すべてはいつ、何をどう食べるか」と助言するのは、著書『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ究極の「健康資産」の作り方』が話題の満尾正医師だ。
コロナ禍の今、どんな人でも積極的に食べたほうがいい「絶対食」と、食事のパフォーマンスを高める「カラダが喜ぶ食べ方」があるという。それら「最強の食事術」について、満尾医師が解説する。
世界中にさまざまな発酵食品があり、昔から人々は、それを食べて健康を守ってきました。納豆も発酵食品ですが、日本にはさらにさまざまなものがあり、その数は1000種を超えるとされます。それらをもっと毎日の食卓に並べてください。
発酵には微生物が必要で、カビ、酵母菌、細菌がその役割を担っています。納豆菌は細菌に分類されます。発酵や腐敗は、どちらも細菌による食物の変化であり、人にとって益があれば発酵、悪い影響があれば腐敗と判断されます。益があるとは、食材の美味しさを引き出すこと、保存性を高めること、栄養素の消化吸収を助けること、腸内環境を整え免疫力をアップすることが挙げられます。
発酵食品というと、すぐにヨーグルトを思い浮かべる人もいるでしょう。ただ、後述しますが、その原料となる牛乳の安全性がいろいろと議論されてもいます。
ですから、今のところ私は味噌や酢といった調味料、ぬか漬けやキムチなどの漬物を活用することをおすすめします。旅先で、その土地ならではの発酵食品を楽しむのもいいことです。
たとえば、魚を発酵させる「なれずし」にしても、フナ、サバ、アユと地方によって素材が違い、味わいもそれぞれです。ちなみに、ワインや日本酒も発酵食品です。私は日本酒派ですが、なかでも「生酒」が好きです。お酒は火入れをする段階で、どうしても酵母や酵素が減ってしまいますが、生の日本酒は生きている酵母や酵素が摂れます。そこには、亜鉛などの栄養素も含まれています。
お酒に限らず、発酵食品はなるべく生で食べるほうがいいのです。味噌汁をつくるときに沸騰させないように注意するのは、味わいのためだけでなく、酵母をなるべく生かしておくという目的があります。
◾️関連情報
『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ「究極の健康資産」の作り方』
文/満尾正(みつお・ただし)
米国先端医療学会理事、医学博士。1957年横浜生まれ。北海道大学医学部卒業後、内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療の現場などに従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、日本で初めてのアンチエイジング専門病院「満尾クリニック」を開設。米国アンチエイジング学会(A4M)認定医(日本人初)、米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医の資格を併せ持つ、唯一の日本人医師。著書に『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ「究極の健康資産」の作り方』(小学館)など。
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