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新型コロナでマイカー保有を促進する傾向は見られず、クルマ離れはさらに加速

2020.11.29

今、密を避けるために移動手段が変化しつつある。では新型コロナウイルス感染症の影響により、人々の移動・クルマに対する意識はどのように変化しているのか。

今回はデロイト トーマツ グループが発表した「ポストコロナの移動に関する意向調査結果」を見てみよう。

通勤の移動は1年後も減少、移動は安全性重視に

Part.1 移動に対する意識の変化

移動目的:業務上の移動が大きく減少し、私的な移動の割合が増加

1年後を見据えた移動目的別の年間移動距離においては、2018年調査と比較し、通勤目的の移動割合が31.0%から19.5%へと11.5ポイント減少する見込みとなった。一方で、移動量全体における私的な移動(買い物、外食、観光・レジャー、ドライブ、通院・診療)は前回調査の32.8%から今年度調査において44.0%になり、相対的に増加すると見込まれる。(図1)

年齢別では若年層(18-29歳)、地域別では都市部ほど通勤目的での移動割合の減少幅が大きい結果に。また、回答者の約25%が1年後もリモートワークによる通勤の減少を想定していた。(図2) ただし、リモートワーク進展の結果、郊外への引っ越しなどを計画している人は全体の5%未満で、居住地の変更という点に関してCOVID-19による短期的な影響は限定的だと見られる。

移動手段:電車からマイカーやパーソナルモビリティへ分散

移動手段別年間移動距離においては、「3密」を生み出しやすい電車での移動が大きく減少する見込みだ。特にラッシュ時の移動が予想される通勤・通学では、電車の回避が顕著となっている。電車の代替手段として、3大都市(東京23区、名古屋、大阪)では自転車・徒歩が、中核都市ではマイカー移動が増加すると見込まれる。電車が密の状況ではない地方部においては、電車を回避する傾向は見られなかった。

移動ニーズ:時間の正確さ・価格より、「安心・安全・3密回避」を最も重視

移動に求めるニーズにおいては、「安心・安全・3密回避」を求める声が大きく増加し、快適性・時間の正確性・価格を求める声は減少している。元来、時間の正確性を重視していた公的外出(通勤・通学・出張など)においても、「安心・3密回避」がより優先されるとみられる。(図3)

パンデミック回避の意識により個人情報(動態データ)の収集の是非は約3割が反対から賛成に転じる

感染拡大防止のための個人情報の収集・利活用の是非については、「以前は反対だが現在は賛成」に転じた人(28.2%)を含め、全体の43.5%が賛成しており、COVID-19による意識の変化が強く表れている。特に、女性において賛成に転じた人が多く(31.7%)みられた。(図4)個人情報の開示に対する前向きな声の高まりは、動態監視や移動情報の利用に向け追い風となる可能性があると推測される。

Part.2 クルマに対する意識の変化

クルマのイメージ:クルマ無関心層は依然として増加

クルマに対するイメージを「特に意味なし」「単なる移動手段」と回答している無関心層は、前回調査より5.8ポイント上昇し、66.4%を占める結果となった。COVID-19による公共交通回避の意識から自動車保有の上昇が予想されていたが、今回調査結果では、消費者の意識面からはマイカー回帰へのポジティブな傾向は見られなかった。(図5)

マイカー保有:マイカー保有は二極化に進んでいく傾向に

マイカーの将来保有意向では、現在の保有者の継続保有意向は変わらず高く8割近くを占めている。一方で、現在非保有者の中で「将来も保有しない」と回答した人の割合が2018年調査の56.3%から67.0%と約11ポイント増加し、クルマ離れが加速する傾向が見られる。

特に若年層と都市部においてその比率が高く、COVID-19がマイカー保有を促進する傾向は見られなかった。経済的な背景を非保有の理由とする声が多く、COVID-19による景気減速の影響が窺える。

COVID-19による外出自粛ムードが高まる中で、ポストコロナ/New Normalな暮らしをイメージしながら回答してもらうという形で調査を実施。結果的には、「公共機関は避けたい、でも自家用車は持ちたくない」という解決策なき回答が散見された。元来、第三の選択肢と見られていたシェアリング(自転車・自動車)などの新モビリティについてはまだまだ認知度、使い勝手、衛生面などで消費者を満足させるレベルに至っておらず、利用意向は限定的だった。

自動車・モビリティ業界におかれては、このような消費者の思考の変化を適時適切に捉え、消費者にとっての解決策を導出するための戦略の見直しが必要ではないだろうか。このような時にこそモーダルシェアの大きな転換が見込める好機と考え、積極的な認知向上、顧客体験の改善、そして何より衛生面での対応徹底に重点的に投資を行うことが変革を牽引するために必要不可欠と考えられる。

調査概要

実施時期:2020年6月19日~21日
調査手法:Webによるアンケート調査
調査対象:日本全国 計3,120人
(性・年代・地域の構成比は日本人口構成比と同じ)

構成/ino.

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