
適材適所に人員を配置し、状況に応じた戦略をとる。将棋と、現代を生きる私たちの目指すべき姿勢には通じるものがあるのでは―そんな発想から、将棋の戦術をビジネスマンの生活にたとえてみました!
人の役割
チーム編成が悩ましい → メンバーが「金」か「銀」かで配置を決める
人事異動や、新規事業に伴うチーム編成を考える時は、メンバーそれぞれが最も力を発揮できる配置を考える必要がある。
構成作家で『仕事は将棋に置きかえればうまくいく』の著者の加藤剛司さんが話す。
「様々な性格の人が、将棋でたとえたらどの駒に当たるかをまとめました(下図参照)。まずは自分自身や身の回りの人がどれに当てはまるかを考えてみてください」
重要なのが、「金タイプ」と「銀タイプ」の見極めだ。
「金は真後ろにしか下がれませんから、前線に出すと後戻りが難しく融通が利かない時がある。逆に、最後列に控えていれば『玉(=王将)』と同じ動きができる〝守備型〟です。一方、銀は右後ろと左後ろに下がれる機動力があるので、フットワーク軽く切り込める。こちらは攻めのリーダーです」
意外な功績をあげる可能性があるのが、お調子者の「桂馬タイプ」。
「桂馬が相手の急所を刺して勝つ、というパターンは藤井聡太二冠の得意技。ただ、『桂の高飛び歩の餌食(えじき)』という言葉があるように、守りに弱いことに注意です」
桂馬以上にフットワークが軽い半面、失敗すると大損失を出しかねないのが「角タイプ」だという。
「18年10月に行なわれた橋本崇載八段と菅井竜也七段の対局では、菅井七段が角の動かし方を間違い、反則負けしてしまった。角タイプの人は行動力が有り余っているからこそ、大失敗をしないよう注意深く見守らなければなりません」
あなたは、あなたの部下は駒にたとえたらどのタイプ?
監修 加藤剛司氏
構成作家・ライター。1967年生まれ。『テリー伊藤 のってけラジオ』(ニッポン放送)ほか、多数の番組を手がける。
『仕事は将棋に置きかえればうまくいく』(扶桑社刊)をベースに、加藤さん取材のもと再構成した。
取材・文/編集部
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