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サッカーのある日常を取り戻す契機に!一致団結して初のACL制覇を狙うFC東京の覚悟

2020.11.24

Etsuo Hara / Getty Images

 新型コロナウイルス影響で9カ月もの中断を余儀なくされていたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が11月24日からカタールで再開され、グループFを戦っているFC東京は11月24日から登場する。

ここで2試合を消化し、勝ち点4を確保。24日の上海緑地申花戦を皮切りに、12月3日まで1次ラウンドの4試合を消化し、上位2位以内に入ればベスト16に進出する。ファイナルは12月19日。ここまで勝ち上がるためには、約1カ月間も中東の地でタフに戦い続けなければならない。長谷川健太監督、選手たちはもちろんのこと、彼らを支えるスタッフも細心の注意を払いながら、チーム状態を維持していく必要があるだろう。

ACLの徹底したコロナ対策

「Jリーグ全体としては7月から5000人のお客様に来場いただく形で試合運営が始まり、徐々に制限が緩和され、東京も10月24日の横浜F・マリノス戦から味の素スタジアムでの観客数制限を1万6000人まで増やしています。11月7日に予定されていたYBCルヴァンカップ決勝は新国立で2万4000人規模の観客の中で試合をする予定でしたが、柏レイソルのクラスター発生で延期になってしまいました。我々としては残念でしたが、すぐにACLに向けて気持ちを切り替えました。
 コロナ禍で初めての海外遠征ということで、緊張感は強いですが、うまく乗り切って、サッカーの国際試合を安全に行えるということをしっかりと示したい。ルヴァン杯決勝も年明けの1月4日に延期されましたから、その時には『サッカーをスタジアムで観戦することは大丈夫なんだ』という安心感を持って、多くの観客に来場いただけるようにしたいです」

 こう語るのは、FC東京の若林史敏運営管理本部長。今回のACLでもチームに帯同。20日から現地入りしているが、空港やホテルのセキュリティやコロナ対策の徹底ぶりに驚かされたという。
「まずドーハの空港到着時にはPCR検査を実施。そこからホテルへ移動したのですが、結果が出るまで半日かかり、その間、部屋外に出ることが許されず、食事もデリバリーされたものを摂る状態でした。とりあえず全員陰性ということで安堵しました。PCR検査は2~3日に1回。感染者を出さないことの重要性をより強く意識しました。
 空港では200個を超えるチーム荷物を降ろして運ぶ作業があったのですが、普段の遠征時は我々チームスタッフだけでやっています。が、今回は約20人の現地サポートスタッフが手伝ってくれました。彼らは1つひとつをX線検査に通し、ホテル到着時も入念に消毒してから建物内に入れていた。その徹底ぶりはすごいなと感心したほどです。
 選手はもちろん、我々も練習以外はホテル外に一切出られないようになっています。部屋にはマスク、消毒液、除菌ペーパーが常備され、大部屋で食べる食事は全て個食。散歩もできませんから、外部との接触がほぼない状態。バス移動前の検温や消毒も徹底していますし、コロナ感染リスクはほぼないですね。
 ただ、特にコンビニへ行ったり、ちょっとした買い物ができないのは、選手たちにとってストレスだと思います。そこをどう乗り切るかが1つのポイントだと感じています」

一致団結してタイトルを取りにいく

 このように現地の様子を説明した若林氏。それでもACLが再開され、ようやく試合ができる喜びは少なからず感じているという。実際、今年のサッカー界はコロナに振り回され続けてきた。FC東京も2月末のリーグ中断以降、さまざまな困難に直面した。
「2月末のリーグ中断以降、ファン・サポーターとのふれあいが全くなくなるという異例の状態に陥りました。東京は多くのファン・サポーターに支えられているクラブですし、普段は小平の練習場にも多くの人々に足を運んでいただき、選手と交流を持っていただいている。そういうことが一切できなくなり、運営サイドとしても困惑しました。
 その状況下でも何とかして接点を作ろうと社内スタッフが提案したのが、大型連休中の『青赤STAY HOME週間』。オンラインを使った4日間のイベントで、現役選手はもちろんのこと、クラブOBや他クラブ在籍の選手までが登場し、ファン・サポーターの方からご好評をいただきました。その後も課金制のオンラインライブイベントを実施したり、『青赤フリーマーケット』も2回実施。大金直樹社長に現役時代のユニフォームを出品していただくなどお宝もあって、合計150万円以上の売上を記録しました。
 7月の試合再開後も通常時とは違う大変さがありましたが、ようやくここまで来た印象です。これまで毎回のようにスタジアムに足を運んでくださった熱心なファン・サポーターでもまだご来場いただいていない方もいらっしゃいますが、このACLとルヴァン杯決勝を機にまた戻ってきてほしい。ぜひともそういう機会にしていただきたいと強く思っています」と若林氏は紆余曲折の続いた9か月間をしみじみと振り返る。

 こうした中、迎えるACLだが、仮に頂点に立てれば、クラブとしては2004・2009年のJリーグヤマザキナビスコカップ、2011年の天皇杯に続く4回目。国内カップ戦も重要だが、ACLはアジア王者という特別なタイトル。2001年からFC東京入りし、主に広報・運営畑で働いてきた若林氏は過去の優勝時を経験しているだけに、その重要度の大きさを強く感じているという。

「2000年にJ1初参戦した頃の東京は『部活サッカー』という言葉に象徴されるような泥臭いチームでした。それが2002年の原博実監督(現Jリーグ副理事長)就任以降、加地亮(現解説者)ら日本代表選手、石川直宏(FC東京クラブコミュニケーター)や茂庭照幸(岡崎)、今野泰幸(磐田)らアテネ五輪代表選手が入ってきて、チーム力も上がった。2004年のナビスコ初制覇はその象徴。『ようやくビッグクラブの仲間入りを果たした』と感慨深く感じたのをよく覚えています。

 そこからチームは上昇気流に乗り、2009年に城福浩監督(現広島)のチームで2度目の優勝をした時は戦力的にもサッカーのレベルも大きく向上していました。日本代表レギュラーの長友佑都(マルセイユ)や大型FW平山相太(仙台大コーチ)らもいましたからね。クラブとしてさらなるステップアップの契機になったのは確かです」

 そういった歴史を経て、挑む今回はより大きな飛躍のチャンス。長谷川監督の手腕を若林氏は誰よりもよく知っている。というのも、同じ静岡出身で同学年、日産自動車サッカー部でマネージャーをしていた頃から一緒に働いてきた深い関係性があるからだ。
「選手時代のイメージとは、現在は全く違います(笑)。監督として清水エスパルスやガンバ大阪でさまざまな経験を積み重ねて、今や優勝請負人としての地位も築いています。私が言うことではないですが、選手起用やチームマネジメントを含めて、好成績を収めている理由が近くにいてよく分かります。今季は長谷川監督就任3年目ですし、とにかく勝ってタイトルをもたらしてほしい。それが僕自身、そしてクラブスタッフの切なる願いです。
 2019年までのFC東京は右肩上がりで来ていて、昨季は平均観客動員が初めて3万人を超え、営業収益も56億3500万円と過去最高数字を記録するなど、本当にいい方向に進んでいました。そんな矢先にコロナ禍に見舞われ、クラブ全体が仕切り直しをしなければいけません。ACLでタイトルを獲れれば、その力強い原動力になると思います。営業面でも人気面でも注目度という部分でもこの機会をぜひ活かしたい。僕らはそんな気持ちで大一番にのぞんでいきます」

 上海、蔚山現代、パース・グローリーという同組の相手はいずれも難敵だが、キャプテン・東慶悟が長期離脱から復帰するという追い風もあり、チームは前向きな方向に進んでいる。12月19日の決勝を視野に入れながら、若林氏らスタッフも持てる力の全てを注ぎ、一致団結してタイトルをつかみにいくつもりだ。

取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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