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ランチの後に急にやってくる眠気や集中力の低下は「隠れ高血糖」のサイン!?

2020.11.26

ランチ後に急に眠くなる、イライラや集中力の低下を感じる――。もしかしたら、それは「隠れ高血糖」かもしれない。糖尿病をはじめ、さまざまな病気リスクがあるとともに、仕事への支障をきたすことも。

糖尿病専門医に、隠れ高血糖のリスクと共に食事と運動による対策を聞いた。

「隠れ高血糖」とは?

食後にこんな症状に悩まされていないだろうか。強い眠気が起こり、しばらくするとさっき食べたばかりなのにもう空腹感があり、イライラしたり、集中力が落ちたりして仕事に支障をきたすことも。

さらに運動不足や過度のダイエット、睡眠不足、ストレス過多、朝食をはじめとした食事抜きの生活習慣があれば、「隠れ高血糖」に陥っている可能性がある。

「隠れ高血糖」とは、普段は血糖値が正常の範囲でも、“食後の短時間だけ”正常範囲を超えて急激に血糖値が急上昇し、数時間のうちに元に戻るという現象が起きることだ。

そもそも「血糖値」とは血液中を流れる糖分の量を示す値で、一定値より高い状態が続くと「糖尿病」と診断される。

最近の研究では、糖尿病ではない人の中にも「隠れ高血糖」が生じている人がいることが分かっており、“隠れ糖尿病”とも呼ばれている。

「隠れ高血糖」が招くリスク

隠れ高血糖には、さまざまなリスクがあるという。

糖尿病専門医の銀座泰江内科クリニック院長 泰江慎太郎先生は次のように話す。

【取材協力】

泰江 慎太郎(やすえ しんたろう)先生
銀座泰江内科クリニック院長
京都大学大学院医学研究科博士課程修了。医学博士。日本糖尿病学会専門医、日本循環器学会専門医、日本医師会認定健康スポーツ医。社団法人メディカルヘルスケア協会代表理事。これまでに10万人以上の糖尿病患者を診療。海外のVIPからも多数診察依頼があり、担当している。

「急激な血糖値の上昇は、有害物質の活性酸素を発生させ、血管を傷つけます。その傷を修復する働きで血管の内側の壁が厚く硬くなり、血栓で血管が詰まりやすくなると、脳梗塞や心筋梗塞などによる突然死のリスクが高まることが分かっています。

さらに血糖値を下げようとするインスリンの過剰分泌は、がんや認知症の誘発にも関係することが分かってきました。まさにあらゆる生活習慣病を引き起こす万病の元。隠れ高血糖は、糖尿病の前段階というだけでなく糖尿病に匹敵する、あるいはそれ以上の恐怖があるのです」(泰江先生)

泰江先生によると、血糖値の乱高下が繰り返されると、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上昇し、放置することで糖尿病に移行したり、重症化につながったりするという。

またアルツハイマー型認知症の原因とされる「アミロイドβ」が脳内に蓄積を促し、その毒性で神経細胞が死滅。脳が委縮し認知症を進行させる一因になるという。

がんのリスクもある。インスリンには細胞を増殖させる働きがあるため、ガン化した細胞をも増殖させてしまい、がんの発症リスクにつながるという。

そして、日常生活においても、仕事などに支障をきたす恐れもあるという。

「血糖値の急上昇時に強い眠気が起こり、急降下時には強い空腹感、イライラ感、集中力・判断力の低下などを引き起こします」(泰江先生)

隠れ高血糖 “危険度”チェック

隠れ高血糖の恐ろしさを知ったところで、簡易的なチェックをしてみよう。健康診断で血糖値が「正常」という人も、油断はできない。

以下の質問に答えることで、隠れ高血糖の危険度を判定することができる。

Q1. 朝食を摂らない
Q2. コンビニ食を週3回以上利用
Q3. BMI値が25以上
※ 【BMI計算】BMI= 体重kg ÷ (身長m)2
Q4. 血のつながった家族(兄弟、姉妹、父母、祖父母)に糖尿病になった人がいる
Q5. 3食のうち1回以上早食い(10分以内)
Q6. 食後すぐに椅子に座ることが多い
Q7. 運動は週3日未満
Q8. これまでにダイエットにトライしたことが3回以上ある
Q9. 週3回以上6時間以下の睡眠がある

この9つの質問のうち、「はい」の数が多いほどリスクが高い。

「はい」の数が2つ以下:低リスク
「はい」の数が3~4以下:中程度リスク
「はい」の数が5つ以上:高リスク

「隠れ高血糖」の食事・運動からの対策

隠れ高血糖のリスクが高いことが分かったなら、自分でできる対策から始めたい。泰江先生は食事と運動それぞれに対策を提案する。

●食事は2つのファーストで

血糖値の急上昇を防ぐには、野菜から食べる「ベジファースト」がよく知られているが、泰江先生はあえて次の2つのファーストを提案する。

1.ノット・カーボ・ファースト

「ご飯やパンなどの炭水化物を初めに食べないという意味の『ノット・カーボ・ファースト』は、野菜と肉・魚を、先に15分かけて食べる方法です。

肉や魚を先に食べるとそれらに含まれる脂肪やたんぱく質の働きで『インクレチン』というホルモンが分泌されます。インクレチンは胃腸の働きや消化吸収を緩やかにする働きがあるため、血糖値の上昇を抑制してくれることが分かっています。

ある実験では、野菜とから揚げを食べたとき食後30分の血糖値がご飯のみのときと比べ、17%も減少しました」

2.まいたけファースト

「まいたけを食事の初めに食べる方法です。まいたけは血糖値の上昇を抑える栄養素『食物繊維』が豊富なだけでなく、独得の歯ごたえが早食いを防ぐ点でもおすすめです。

また、α-グルカンという血糖降下作用があるといわれる成分が含まれていること、さらに朝食にまいたけを食べると、朝食後だけでなく、昼食後の血糖値の急上昇を抑える『セカンドミール効果』があることも分かっています。朝食はもちろん、食事の際に野菜・おかずと一緒に食べることをおすすめします」

●食後の運動

「食後およそ15分間は、消化吸収のため血液が胃や腸に集中します。この時間帯にあえて体を動かすことで、胃腸に集まった血液を手足の筋肉に分散させると、胃腸の動きが鈍くなり、糖の吸収が抑えられます。

食後1時間経ってから運動をしても、すでに血糖値がかなり上昇しているため、運動効果は得られません。食事を始めてから15分ほどで血糖値は上がり始めていますので、食後5分以内に運動することが効果的です。テレワークなどの影響で運動不足という方も多いと思いますので、ご自宅で簡単にできる体操をご紹介します」

◆おすすめは「かかと落とし」

「筋肉の6 割が足の筋肉なので、ここを効率的に使うと糖の取り込みがよくなります。そこで先生が実際に患者さんにおすすめしているのが、『かかと落とし』です。ふくらはぎの筋肉『下腿三頭筋』といった大きな筋肉を使うため、血糖値の降下に役立ちます。また、一つの大きな筋肉に特化した運動を行ったほうが、多数の筋肉を使って行う運動よりも、高い効果が得られることが分かっています」

かかと落としとは、立ったまま両足のかかとを同時に上げて、そのままかかとをストンと床に落とす運動だ。

竹踏みを使用して、かかと落としを行うとより効果が高まるという。

◆「進化版かかと落とし」のやり方

竹踏みの上に乗り、かかと落としを行う。このとき、かかとは、竹踏みの上ではなく、床に落とす。こうすると、つま先の高さより下にかかとを落とすことになる。これにより、筋肉の負荷がさらにかかりやすくなり、効果が高まるのだという。竹踏みがない場合は階段の 1 段目やちょっとした段差で OK 。食後すぐに1 セット 30 回行うといいそうだ。

ビジネスパーソンにとって、隠れ高血糖は日頃の仕事のパフォーマンスを下げる上に、将来の健康リスクを高める恐ろしい問題だ。もし心当たりがあれば、食事や運動の対策から始めてみてはいかがだろうか。

取材・文/石原亜香利

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