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自然との接触を促す「緑の処方箋」が精神疾患の人には逆効果になるケースも、英エクセター大学研究報告

2020.11.24

緑の処方箋、精神疾患の人には逆効果になることも

公園や緑地など緑の多い自然環境の中で過ごすことは、精神状態の改善につながると考えられている。

しかし、自然との接触を促すこのような「緑の処方箋」は、メンタルヘルスに問題を抱えている人にとっては逆効果になる場合もあるとする研究結果が報告された。

英エクセター大学医学部のMichelle Tester-Jones氏らによるこの研究の詳細は、「Scientific Reports」に11月6日掲載された。

この研究は、BlueHealth International Survey(BIS)に登録されている、世界の18の国や地域(ヨーロッパ14カ国、カナダ、オーストラリアのクイーンズランド州、香港、米カリフォルニア州)に居住する1万8,838人を対象にしたもの。

Tester-Jones氏らは、不安や抑うつといった一般的な精神疾患(CMD)を抱えている人が、自然の中で過ごそうと思う動機や自然環境を訪れる頻度、自然環境の中に身を置いている間の精神状態に社会的プレッシャーが及ぼす影響などについて検討した。

対象者の中でCMDのあることを報告したのは、2,698人(14%)であった。内訳は、抑うつのみを有する患者が910人(4.8%)、不安のみを有する患者が1,013人(5.4%)、抑うつと不安の両方を有する患者が775人(4.1%)であった。

分析の結果、CMDの有無にかかわらず、対象者全員が高い内発的な動機付けで自然環境を訪れていることが明らかになった。

ただし、CMD患者は、CMDのない人に比べて、内発的な動機付けがやや低かった。また、CMDのない人、および3種のCMD患者(抑うつのみの患者、不安のみの患者、抑うつと不安の両方がある患者)のいずれでも、半数以上が週に1回以上、自然環境を訪れていることも判明した。

特に不安を有するCMD患者は、CMDのない人に比べて、自然環境を訪れる頻度が有意に高かった。

さらに、CMD患者とCMDのない人の双方が、自然環境に身を置いている間は、幸せを感じ、不安を感じる程度も減少することを報告した。

その一方で、自然環境に身を置くことで得られるこのようなベネフィットは、自らの意思で自然環境を訪れた場合でないと、低減してしまう可能性も示された。

自然を訪れることを勧める善意の他者からのプレッシャーが強いほど、CMD患者の自然環境を訪れる動機は低下し、不安が高まる可能性のあることが判明したのだ。

Tester-Jones氏は、「われわれの研究結果は、都市に設けられた自然環境は、人々がリラックスしてストレスから回復するためのスペースとなり得ることを示唆する、より規模の大きな研究結果と一致するものだ」と述べている。

さらに、今回の研究結果からは、精神疾患を抱えている人に対して、医療従事者や家族など近しい人が、自然の中で過ごすことを勧める際には、十分に気を配らなければならないことも明らかになった。

Tester-Jones氏は、「精神疾患を抱えている人に対しては、その人が既に何度も訪れて楽しい時間を過ごしてきた場所で、より多くの時間を過ごすように勧めるのが良いだろう。そのような勧めなら、彼らも心安く感じ、これまでの経験を最大限に活用できるかもしれない」と話している。(HealthDay News 2020年11月9日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41598-020-75825-9

Press Release
https://www.exeter.ac.uk/news/research/title_824180_en.html

構成/DIME編集部

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