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見逃されることの多いてんかん発作と自動車事故の関連性、米ニューヨーク大学研究報告

2020.11.24

見逃されることの多いてんかん発作が自動車事故に関連

てんかん発作の中で最も症例の多い焦点発作(部分発作)は、兆候が微妙で見逃しやすく、それが診断の遅延につながっているとする研究結果を、米ニューヨーク大学(NYU)グロスマン医学部のJaqueline French氏らが報告した。

何年も放置されていた焦点発作がある日突然生じ、それが多くの自動車事故の原因になっている可能性も示された。研究結果の詳細は、「Epilepsia」10月19日にオンライン版に掲載された。

てんかんは脳の慢性疾患であり、脳の神経細胞(ニューロン)の激しい電気的興奮に伴い生じるてんかん発作を特徴とする。

てんかん発作は、過剰な電気的興奮が一気に脳全体に生じる全般発作(全般起始発作)と、脳の一部分のみで生じる焦点発作(焦点起始発作)の2つに大別される。

焦点発作はさらに、発作の起始時に運動兆候(手や顔などのつっぱりや痙攣など)を伴う焦点運動発作と、運動兆候を伴わない焦点非運動発作に分けられる。焦点非運動発作では、反復する短い幻覚、強い既視感、夢遊状態の感覚などが生じることもある。

French氏らは今回、焦点発作の中でも、とりわけ焦点非運動発作を有する人では、診断の遅れが、本来なら避けられたはずの疾患の進行と関連する可能性があるとの仮説を立てた。

そして、この仮説を検証すべく、起始時の発作が焦点運動発作であった人と焦点非運動発作であった人との間で、診断されるまでの時間、発作時に傷害を受けた頻度やその重症度、自動車事故の発生頻度について比較を行った。

対象者は、米国、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリアの34カ所のてんかん治療センターで、Human Epilepsy Projectに登録され、モニターされている447人(12〜60歳)である。このうち、起始時の発作が焦点非運動発作であった人は246人(非運動発作群)、焦点運動発作であった人は201人(運動発作群)であった。

解析の結果、医師が焦点発作の最初の兆候に気付くまで、平均で約2年かかることが明らかになった。

特に、運動兆候のない非運動発作群ではその傾向が顕著であり、初めて診断が下されるまでにかかった時間は、最初に非運動発作の兆候が現れてから最長で6年かかっていた。これに対して、運動発作群では平均2カ月以内に最初の診断が下されていた。

また、この研究では、対象者のうちの23人が、最初に診断を受ける前に1件以上の自動車事故を起こしていたことも判明した。

このうち19人(82.6%)もの人が、後に焦点非運動発作と診断された。French氏らによると、非運動発作の人が早期に診断されていれば、13人当たり1件の自動車事故(世界レベルに換算すると年間1,816件)が避けられたと推算されたという。

French氏は、「われわれの研究は、てんかんの初期の微妙な兆候がいかに頻繁に見過ごされているかを明示するものだ。てんかんの人々が、診断も治療もされないまま自動車事故などを起こす前に、その兆候に気付けるよう、われわれはもっと注意するべきだ」と述べている。

一方、この研究論文の筆頭著者であるJacob Pellinen氏は、「診断の精度を上げるためには、医師が、特に救急治療室の中や自動車事故の後に、発作の可能性がないか、見逃さないようにすることが重要だ。

患者も医師に協力して、それまでにはなかった異常な症状が繰り返し現れる場合には、そのことを医師に正直に話す必要がある」としている。

世界保健機関(WHO)によると、世界には5000万人以上のてんかん患者がいる。French氏によると、抗てんかん薬は診断後の症状のコントロールに極めて有効であるという。(HealthDay News 2020年10月26日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/epi.16707

Press Release
https://nyulangone.org/news/focal-epilepsy-often-overlooked

構成/DIME編集部

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