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新型コロナは人間と接点がある多くの動物にも感染する危険性、英UCL研究報告

2020.11.17

身近なほ乳類も新型コロナに感染し得る

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染する危険性は、人間だけでなく、人間と接点がある多くの動物にもあることを示唆する研究結果が明らかになった。

この研究を実施した英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のChristine Orengo氏らは、「COVID-19への感染は、絶滅が危惧されている一部の動物を脅かすだけでなく、特定のタイプの農場も打撃を受ける可能性がある」と述べている。詳細は、「Scientific Reports」10月5日オンライン版に発表された。

新型コロナウイルスがヒトに感染する場合、ウイルスの表面にあるスパイクタンパク質が、ヒトの細胞表面にあるACE2と呼ばれる受容体タンパク質に結合することによって、ウイルスが宿主細胞に侵入できるようになる。

一方、動物への感染は、これとは異なる機序を介して起こる可能性もあるが、現在のところ、ACE2を介した感染経路が動物にも当てはまると考えられている。

ACE2の構造は、動物の種類ごとに少しずつ違っている。このため、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質との結合強度に違いが生じ、COVID-19への感染のしやすさにも違いのあることが考えられる。

では、どの動物がCOVID-19に感染しやすいのか。それを確かめるために、Orengo氏らは、対象とした215種類の動物のACE2と、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質との結合強度を調べた。

その結果、対象とした動物のうちの32種類の動物において、新型コロナウイルスに感染し得ることを裏付けるエビデンスが得られた。そのうちの多くは、人と接触する機会のある動物だった。

また、鳥類や魚類、は虫類は、そのほとんどが感染する危険性はないと見られたが、ほ乳類の大多数は感染する可能性のあることが明らかになった。

さらに、ヒツジや類人猿(チンパンジー、ゴリラ、オランウータン、ボノボなど)の一部では、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質がACE2に結合する力が、ヒトに感染する場合と同程度であることが判明した。ただし、ヒツジなどの一部の動物では、感染症の検査を行っていないため、実際に感染が起こり得ることが確証されたわけではないという。

こうした結果を受けてOrengo氏は、「新型コロナウイルスに感染するリスクがあると考えられる動物で、アウトブレイクが起こる可能性もある。そうなれば、絶滅危惧種の絶滅が危ぶまれる事態になりかねない。

あるいは、農場が打撃を受ける可能性もある。ミンク農場での例が報告されているように、動物がウイルスのリザーバーとなり、人間に再感染する可能性も考えられる」と述べている。

Orengo氏らは、既に感染が報告されているネコやイヌのほか、ライオン、トラ、ミンクなどはもちろん、実験室での研究で感染が確認されているフェレットやマカク(オナガザル科マカク属に分類されるサル)でも、新型コロナウイルスへの感染が起こり得るとの見方を示している。

一方、この研究論文の共著者で、UCL Structural and Molecular BiologyのJoanne Santini氏は、「ペットや農場で飼育されている動物を中心に、多様な動物を対象とした大規模なサーベイランスを行い、人間や動物へのリスクが制御可能なうちに、感染例やクラスターを早期に見つけ出す必要がある」と指摘。

また、「われわれはこれまで、COVID-19の感染拡大防止対策として衛生管理に注力してきたが、動物を扱う際にも、同様の衛生管理が重要なのかもしれない。つまり、感染者は非感染者だけでなく、動物からも隔離されるべきなのではないだろうか」との見方を示している。(HealthDay News 2020年10月7日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://www.nature.com/articles/s41598-020-71936-5

Press Release
https://www.ucl.ac.uk/news/2020/oct/dozens-mammals-could-be-susceptible-sars-cov-2

構成/DIME編集部

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