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資金繰り支援で倒産は抑制傾向、持続可能なビジネスモデルへの転換の課題

2020.11.19

倒産件数は647件と3カ月連続の前年同月比減少

新型コロナ対策の入国制限措置について、11月1日から再入国時の待機が一定条件のもとで免除され、今後も状況に応じた緩和が検討されている。

また、Go Toキャンペーン事業の旅行部門拡大に加え飲食部門も始まるなか、消費者態度指数(消費動向調査10月、内閣府)が2カ月連続で上昇するなど経済活動の持ち直しにむけた動きもみられる。

そうした中、帝国データバンクは、2020年10月における負債1000万円以上の法的整理について集計を行った。

10月の倒産件数は2000年以来の低水準、負債額は過去最小

2020年10月の倒産件数(647件、前年同月比17.6%減)は、3カ月連続で前年同月を下回り、10月としては2000年10月(641件)以来の低水準となった。業種別では、製造業(63件、同43.2%減)、卸売業(80件、同27.9%減)など7業種中6業種が前年同月比で減少。他方、道路貨物運送業を中心に一般旅行業や旅行業代理店業も含む運輸・通信業(27件、同80.0%増)が前年同月を上回った。

負債総額(669億4800万円、同26.5%減)は、3カ月連続で前年同月を下回った。負債30億円以上の倒産は発生せず、10月としては2019年10月(910億7900万円)を大きく下回り比較可能な2000年以降、最小となった。

建設業の倒産は過去最低水準、ただし懸念材料も

建設業の10月までの倒産件数(2020年1~10月)は1075件で、前年同期から7.9%(92件)減少した。建設業の年間倒産件数は2008年に3446件と2000年以降で最多を記録し、業種全体の27.2%を占めた。2009年(3441件)以降は減少基調をたどり2019年は1414件(構成比16.9%)に低下。2020年も減少傾向で推移しており、なかでも土木工事業の10月までの累計倒産件数は93件と、ピーク時の2008年同期(675件)から9割近く減少した。

建設業許可業者数に目をむけると、2020年3月末時点で47万2473件(国土交通省)と、ピーク時の2000年3月末から2割ほど減少。建設市場は災害復旧やインフラ整備など土木関連の公共工事が高水準にあるほか、近時では物流や通信関連の設備投資意欲が高いことなどもあり、建設業の景況感はコロナ禍においても他業種よりも相対的に高い水準で推移している(TDB景気動向調査)。

他方、不動産価格やオフィス賃料が低下している地域などもあり、同部門を兼業する業者の収益力や資金繰りへの影響が危惧される。新設住宅着工数(国土交通省)が9月まで15カ月連続で前年同月を下回っている状況や、ホテルや商業施設をはじめとした民間設備投資の低迷など業績下振れ要素も多い。先送りされている設備投資の回復状況や住宅ローン減税の特例措置延長動向などを見守る必要がある。

資金繰り支援で倒産は抑制傾向、持続可能なビジネスモデルへの転換が課題に

新型コロナは世界的な再拡大の懸念も含めて不確定要素が多い。感染防止にむけた行動自粛が企業業績に影響を与えるなか、2020年度業績を減収減益と見込む企業は56.0%と半数を超えた(「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2020年9月)」帝国データバンク、2020年10月発表)。難局の長期化に対峙するため、劣後ローンや融資枠契約、コロナ対応融資の導入などで、財務や資金繰りを強化する動きが企業に広がるほか、従業員の削減、配置転換や給与水準の見直しに着手する事例も数多く表面化した。雇用情勢が厳しくなるなか、9月の完全失業者数は210万人(労働力調査、総務省)と、8カ月連続で前年同月を上回った。

インバウンド需要や個人消費がコロナ禍以前へ回復することは短期的には現実味に欠け、急場の資金繰り支援を受けた企業をはじめ、多くの企業は「新しい生活様式」対応を含めて持続可能なビジネスモデルへの転換を迫られている。現状、国をあげた各種資金繰り支援策などが奏功し、2020年1~10月の累計倒産件数は6694件と前年同期(6922件)と比較して減少傾向で推移しているものの、増加に転じるリスクをはらんだ展開が続くと見込まれる。

構成/ino.

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