DIME MAGAZINE
日本の名だたる建築家が続々と、子供の心をくすぐる新施設を設計している。
表参道ヒルズや、直島の地中美術館など多くの名建築を世に送り出してきた安藤忠雄。そんな彼が設計した「こども本の森 中之島」は、大阪・中之島に生まれた文化施設だ。3層吹き抜けで、階段や通路が入り交じる館内は、歩き回るだけで子供たちの好奇心を刺激する。階段でも、屋外でも、場所を問わず読書できる〝本の森〟だ。
「様々なメディアの普及や、生活環境の変化などにより、子供たちが本を読まなくなっています。彼らに豊かな活字文化に触れる機会を与えるためにも、思うままに読書を堪能できる施設をつくりたいと考えました」（安藤建築事務所）
世界で最も優れた学校としてユネスコに選ばれたふじようちえんを手がけた手塚貴晴と手塚由比。彼らは、東京・立川の「PLAY! PARK」をデザイン。運動、音楽、工作など自由な遊びを楽しめる〝ありそうでなかった〟屋内広場だ。
「安全性を確保しつつ、ルールを想起させる垣根を最小にすることで、完成途中のようなライブ感を出しました。子供向けにつくらないことで、かえって子供はワクワクします」（PLAY! プロデューサー／ブルーシープ代表・草刈大介さん）
直島のアイコン・直島パヴィリオンをデザインした藤本壮介も子供が遊べる新施設を監修。「UNIQLO PARK 横浜ベイサイド店」は、彼と佐藤可士和のタッグで誕生した。一緒に遊ぶもよし、ゆったり夕日を望むもよし。一度行けば家族の記憶に残る特別な〝公園〟だ。
子供と一緒に訪れれば、大人になって忘れかけていた子供心を取り戻すことができるかもしれない。
まさに〝本の森〟に迷い込む
こども本の森 中之島
福島・いわきの「絵本美術館」や兵庫・姫路の「兵庫県立こどもの館」など、これまでにも多くの子供向けの建築を手がけてきた安藤忠雄の最新施設。内部は、全面本棚の壁で囲われた3層吹き抜けの空間。その中に階段、ブリッジ通路が立体迷路のように巡らされている。
［住］大阪府大阪市北区中之島1-1-28 こども本の森 中之島 ［電］06・6204・0808
［営］09:30～17:00
［休］毎週月曜日（月曜日が祝日の場合は開館し、翌平日は休館）、蔵書整理期間・年末年始
http://kodomohonnomori.osaka/
〝永遠の青春〟のシンボルとして安藤忠雄がデザインした青リンゴ。天気が良ければ、青リンゴのある外に出て、水際のテラスや、中之島公園で本を開くこともできる。
『いたずらのすきなけんちくか』（小学館刊）。本施設が舞台の絵本。安藤忠雄と建築のことがよくわかる内容の一冊。
最新号
