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胃癌の1割を占める「EBウイルス胃癌」の原因を解明、千葉大学大学院・国立シンガポール大学研究グループ発表

2020.11.15

感染ウイルスが「眠っていたゲノム領域」を叩き起こして発癌させていた

細胞は、エピゲノムと呼ばれるゲノムの飾り情報で性質が決まる。ゲノム配列の中で必要のない部分には「不活性マーク」を飾り付け、閉じ込めて利用できないようにしている。

癌はゲノム配列の変異とエピゲノムの異常が蓄積して起こることが知られ、例えば細胞が増殖し過ぎないように抑制する遺伝子は正常細胞の維持に必須だが、ゲノム配列の変異で機能を失ったり、DNAメチル化など「不活性マーク」を誤って修飾されることで発現消失し癌化に寄与する。

EBウイルス胃癌は胃癌の8-10%を占める悪性腫瘍だが、ウイルス感染から発癌に至るまでのメカニズムには不明な点が残っていた。

今回、千葉大学大学院医学研究院 金田篤志教授、国立シンガポール大学医学部 パトリック・タン教授らの研究グループは、EBウイルス胃癌においては特徴的なゲノム領域で、強力な「不活性マーク」の一部が消失する現象を見つけ、網羅的比較解析を行った。

研究の成果 

研究チームは、下記①~③の成果をもとに、EBウイルスが胃細胞に感染して胃癌を引き起こすメカニズムを明らかにした。

① EBウイルス胃癌で異常が起こるゲノム領域を特定

様々な胃癌細胞と正常胃細胞を比較解析した結果、どのEBウイルス胃癌でもほぼ同じゲノム領域にEBウイルスが接近していることが分かった。その領域の多くは胃細胞中で本来は閉じているはずの不活性領域であり、EBウイルスDNAが接近したうえ、本来あるはずの「不活性マーク」が消えて活性化していた。

② 実験によりウイルス感染がエピゲノム異常を発生させることを確認

実験的に胃培養細胞にEBウイルスを感染させると、①と合致する領域にEBウイルスが接近し、異常活性化する様子が再現された。

③ エピゲノム異常が発癌を引き起こすメカニズムが判明

さらに、ウイルスが接近した領域のエンハンサーも異常活性化し、周辺の増殖関連遺伝子の発現量を上昇させ、細胞を異常増殖させることが分かった。つまりEBウイルスは胃細胞に感染すると、いつもほぼ同じ不活性領域を襲い、眠っていたエンハンサーを叩き起こして発癌させるのだ。

感染したウイルスが「不活性マーク」を引き剥がし、閉じ込められ眠るエンハンサーを叩き起こすこの全く新しいエピゲノム発癌機構を、研究チームはウイルスの「エンハンサー侵襲」と名付けた。

研究者のコメント(千葉大学大学院医学研究院 金田篤志教授)

胃癌は、細菌やウイルスなどの感染が発症に大きく関わる疾患で、我が国で年間13万人以上が罹患する悪性腫瘍です。

このたび発見した「エンハンサー侵襲」が、EBウイルス胃癌の、そしてエピゲノム異常やウイルス感染が関わるその他多くの癌の解明と治療法の開発につながることを願っています。

構成/ino.

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