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安部柊斗、田川亨介ら東京五輪世代に注目!主力の移籍を乗り越え、11年ぶりのルヴァンカップ獲得に燃えるFC東京

2020.11.04

Masashi Hara / Getty Images

新型コロナウイルスの影響を受け、4か月間の中断を余儀なくされた2020シーズンのJリーグ。J1は7月4日の再開後、クラスター発生などのアクシデントを乗り越え、ここまで順調に試合を消化している。

そんな中、11月7日には今季初タイトル決定戦となるJリーグYBCルヴァンカップ決勝が新国立競技場で行われる。3月下旬の東京五輪延期以降、新国立は長くクローズ状態になっていたが、8月下旬にセイコーグランプリ陸上2020東京が無観客で開かれ、今回のルヴァン杯決勝が初の有観客試合となる。コロナ対策で収容規模の約50%に相当する2万4000人が集まる見通しで、久しぶりに活気あふれる熱戦が期待できそうだ。

主力が抜けた穴を埋まるマネージメントと新戦力の台頭

そのビッグカードに勝ち上がったのが、柏レイソルとFC東京。前者は99年と2013年、後者は2004年と2009年に優勝経験があるが、FC東京の方は今季アジアチャンピオンズリーグ(ACL)にも参戦し、今季年明け早々から超過密日程を強いられたうえ、シーズン再開直後の夏場に橋本拳人(ロストフ)、室屋成(ハノーファー)という2人の日本代表選手が海外移籍。キャプテン・東慶悟も長期離脱を強いられるなど、チームの屋台骨を揺るがしかねない事態に直面しながら、J1で上位をキープし、ルヴァン決勝にも駒を進めてきた。長谷川健太監督も「獲れるタイトルは全て獲りに行く」という強い姿勢を前面に押し出しており、チーム一丸となって11年ぶりのタイトルを獲得する覚悟だ。

こうした苦しい1年を乗り切るためには、現場の努力はもちろんのこと、強化サイドの献身的サポートが不可欠だ。2015年から強化部長を務める石井豊氏は予期せぬ出来事が次々と起きた今季を改めてこう振り返る。

「今年の東京は1月28日のACLプレーオフ・セレスネグロス戦から始動し、公式戦4試合を消化したところでコロナ禍に突入しました。3月はまだ練習できていましたが、選手たちのメンタル面が不安定で、そこが大きな懸念材料でした。4~5月は長期オフのような状態になり、選手1人ひとりのケアがより行き届かなくなってしまった。それでもコンディションを維持しなければならないので、現場と何ができるかを相談し、いち早くオンライン会議システムを使ったフィジカル強化や筋トレなどを導入。長谷川監督らスタッフとも頻繁にオンラインミーティングを重ねて練習再開にこぎつけた感じです。 

強化部長を務める石井豊氏

試合再開後は超過密日程を余儀なくされました。ACLの日程が何度か後倒しになる中、8月からは中2~3日の19連戦に突入しました。その矢先に橋本と室屋が海外へ移籍。日本代表クラスの離脱はやはり大きなダメージでしたが、現有戦力で乗り切るしかなかった。右サイドバックは大卒新人の中村帆高や高卒2年目の中村拓海、中盤は大卒新人の安部柊斗がグッと伸びてきて、何とかここまで来ることができました」

石井氏はしみじみとこう語ったが、過去の実績や経験のない若手が次々と頭角を現したことも今季の重要ポイントと言っていい。好不調の波が大きい未知数のプレーヤーを抜擢するのは勇気のいることだが、長谷川健太監督は大胆抜擢に踏み切った。もちろんシーズンを通して浮き沈みがある中で、昨季までJ3リーグを戦っていた内田宅哉や原大智、品田愛斗らアカデミー出身者も少しずつ自信をつけている。指揮官の巧みな選手起用には石井氏も脱帽しているようだ。

「長谷川監督は2014年のガンバ大阪でJ1リーグ、ヤマザキナビスコカップ(現ルヴァン杯)、天皇杯の3冠を達成した指揮官。優勝の味を知っていて、勝者のメンタリティを持っている人物です。今季を見ていても非常に綿密な判断を重ねながら選手起用を決めています。一見、大雑把に見えるかもしれませんが、先を見ながらシミュレーションを重ね、総合力を上げるようなマネジメントに取り組んでいます。選手のモチベーションのコントロールもうまいですし、人心掌握術にも長けている。シーズン真っ只中に主力が抜ければ、どんな監督でも困ると思いますけれど、長谷川監督はいけると判断すれば思い切ってピッチに送り出す。『まだ早いのではないか』と僕ら強化部が杞憂するような状況でも勇気を持って起用します。その力量は本当にすごい」

J1得点ランキングを独走するオルンガに負けない攻撃陣

Etsuo Hara / Getty Images

Jリーグ屈指の名将も2018年にFC東京に赴いてからはまだ無冠。2019年は久保建英(ビジャレアル)のブレイクもあって開幕から首位を走ったが、後半戦に入って停滞を余儀なくされ、最終節で横浜F・マリノスに苦杯を喫し、2位に甘んじている。こうした苦い過去と決別し、大きな成果を残すためにも、まずは今回のルヴァン杯決勝で柏を撃破することが肝要だ。とはいえ、柏にはJ1得点ランキングトップを独走しているケニア国籍の怪物FWオルンガがいる。ネルシーニョ監督の采配力含め、侮れない相手なのは間違いないだろう。

「相手には絶対的エース・オルンガがいるため、今回の決勝は『オルンガ対FC東京守備陣』という構図で捉えられがちだと思います。ですが、カップ戦で勝利するためには点を取らないといけない。より攻撃にフォーカスして見てほしいというのが本音です。東京にはここまでJ1でそれぞれ8ゴールを挙げているディエゴオリヴェイラとレアンドロ、アダイウトン。永井謙佑を筆頭に日本人FWも迫力がある。特にディエゴは柏が古巣ということもあって、闘争心をむき出しにして戦うでしょう。熱いプレーで勝利を引き寄せてほしいと思います。
 もう1つの注目は東京五輪世代です。新国立は1年延期になった東京五輪のメイン会場。その大舞台に一足先に立てるということで、渡辺剛や安部、中村帆、中村拓、田川亨介、原、波多野あたりは非常にモチベーションが高いでしょう。その中から何人が本大会メンバーに選ばれるか分かりませんが、いい前哨戦になると思う。森保一監督ら日本代表スタッフも数多く視察に訪れるでしょうし、彼らには強烈なインパクトを残してほしいです」

こう期待を寄せる石井氏だが、彼自身も強化部長就任後初のタイトルに意欲を燃やしている。もともと石井氏は90年代に前身の東京ガスの選手として活躍。引退後は浦和学院高校コーチを経て、2003年からFC東京に加入。2004年・2009年の2度のナビスコカップ制覇はスタッフの1人として見ていただけに「もう一度、歓喜を味わいたい」という想いは非常に強いという。

「過去2回のリーグカップ戦の優勝はクラブにとって大きな意味をもたらしたと思います。あれから10年以上の時間が経過し、久々にタイトルの懸かった試合となるわけですが、正直言って、ここまで来たら勝たないと意味がない。昨年のJ1をあと一歩で逃した悔しさもあって、東京に関わる全ての人が『絶対優勝したい』と、想いを1つにしています。それを最高の形で達成できるように、一丸となって頑張ります」

 果たして彼らは難敵・柏を倒すことができるのか。この大一番は絶対に見逃せない。(後編に続く)

取材・文/元川悦子
長野県松本深志高等学校、千葉大学法経学部卒業後、日本海事新聞を経て1994年からフリー・ライターとなる。日本代表に関しては特に精力的な取材を行っており、アウェー戦も全て現地取材している。ワールドカップは1994年アメリカ大会から2014年ブラジル大会まで6大会連続で現地へ赴いている。著作は『U−22フィリップトルシエとプラチナエイジの419日』(小学館)、『蹴音』(主婦の友)『僕らがサッカーボーイズだった頃2 プロサッカー選手のジュニア時代」(カンゼン)『勝利の街に響け凱歌 松本山雅という奇跡のクラブ』(汐文社)ほか多数。

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