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なぜ、小児の新型コロナウイルスは軽症が多いのか?

2020.10.28

なぜ小児のCOVID-19は軽症なのか

新型コロナウイルスへの感染に対し、小児と成人では免疫系の反応が異なることが明らかにされた。

この結果により、成人に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症例が多い理由を説明できる可能性があるという。

米イェール大学免疫学・内科学教授のKevan Herold氏らによるこの研究結果の詳細は、「Science Translational Medicine」9月21日オンライン版に掲載された。

COVID-19のアウトブレイクが発生した当初から、成人に比べて小児の感染者では軽症者が多いことが指摘されている。

また、多系統炎症症候群(MIS-C)を発症した小児でも、死亡例はまれである。MIS-Cは、新型コロナウイルスに感染した小児に生じることのある、重度の炎症性疾患である。

Herold氏らは、小児感染者に軽症者の多い理由を解明するために、COVID-19に罹患して米モンテフィオーレ医療センターに入院した、小児および24歳未満の若年成人患者65人と成人患者60人から採取した血液と細胞を調べた。

その結果、患者の年齢が若いほど、インターロイキン17A(IL-17A)とインターフェロン・ガンマ(INF-γ)の値が高いことが明らかになった。

IL-17AもINF-γも、サイトカインと呼ばれる、免疫細胞から分泌されるタンパク質である。IL-17Aは感染初期に免疫系の反応を促す。

INF-γにはウイルスの複製を抑える作用がある。両分子とも、人に先天的に備わっている自然免疫系の一部であり、感染後の早い段階で活性化される。

一方、成人患者では、小児および若年成人患者に比べて、新型コロナウイルスのスパイクタンパク質に対するT細胞による強い適応(獲得)免疫応答が認められた。

適応免疫は、出生後、病原体などに接することで獲得される、後天的な免疫機構である。

また、成人患者では小児患者に比べて、血清中の中和抗体(ウイルス感染を阻害する能力を持つ抗体)価や抗体依存性細胞貪食能が高いことも確認された。

さらに、今回の研究対象者の中に含まれていた、MIS-Cの小児および若年成人患者からも、高濃度のIL-17AおよびINF-γが確認され、成人のCOVID-19重症患者に見られるような、肺への重度の障害が生じることはまれであった。

この結果からHerold氏らは、「特定の種類の免疫反応を高めることが、COVID-19患者に有益である可能性がある」と述べている。

Herold氏は、「血清中のIL-17AとINF-γは、成人よりも小児で濃度が高いことが分かり、驚いた」と述べている。研究チームはまた、保護作用があると考えられている特定の抗体反応が、小児に比べて、COVID-19の重症患者を含めた成人で高かったことにも驚いたという。

一方、この研究論文の上席著者である、米アルベルト・アインシュタイン医科大学小児科および微生物学・免疫学教授のBetsy Herold氏は、「われわれの研究結果が示唆するのは、小児ではウイルスへの感染に対して早い段階で、強力な免疫系反応が起こり、重篤な肺疾患への進行を防いでいると考えられる」と述べている。(HealthDay News 2020年9月25日)

Copyright © 2020 HealthDay. All rights reserved.

(参考情報)
Abstract/Full Text
https://stm.sciencemag.org/content/early/2020/09/21/scitranslmed.abd5487/tab-article-info

Press Release
https://news.yale.edu/2020/09/21/childrens-immune-response-more-effective-against-covid-19

構成/DIME編集部

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