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テレワーク時代におけるファッションの新常識「テレウェア」とは何か?

2020.10.29

コロナ禍により人々の生活様式や価値観が激変したこの半年。中でも最も大きく変わったのが男性ビジネスパーソンの“仕事着”だ。オフィスにいる時は会社のドレスコードに合ったファッションでいれば何の問題もなかったのが、在宅であることによって服装の指針がなくなり、いまだに何を着たらいいのかわからない、という声も聞く。

Webでの会議や打ち合わせの際にどんな服を着るのが正解なのか? ネクタイは必要なのか? ポロシャツはOKなのか? そこでテレワーク時の服装の新常識について、紳士服チェーンの大手、株式会社はるやまホールディングス・代表取締役社長執行役員である治山正史さんにお話を伺った。

株式会社はるやまホールディングス代表取締役執行役員 治山正史/1964年岡山県生まれ。立教大学経済学部卒業後、伊藤忠商事株式会社に入社。ニューヨーク駐在を経て、家業の「はるやま商事」(当時)に入社。2003年社長に就任。

緊急事態宣言直後に、買い物に来た男性の目的は?

――内閣府は「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(2020年6月)で、全国でテレワークを経験した人の割合は34.6%と発表。オフィス街に人は戻ってきているとはいえ、まだまだ自宅と会社と半分ずつのハイブリッドワーカーも多い。そんな、テレワークが半常態化した時代に、ビジネスウェアとしてどのような服装がふさわしいのか、紳士服チェーンの経営者としてはどのようにお感じになられていますか?

治山正史さん(以下・敬称略) 服選びは、多くの男性が迷うところです。4月の緊急事態宣言直後、営業を続けていた店舗に、多くのお客様がいらっしゃいました。なぜだろうかと、現場のスタッフに話を聞くと、「リモートワーク中に着る服が欲しい、何を着たら良いかわからない、とおっしゃる方が多い」と語っていたのです。それまで、仕事といえば、スーツを着ていればよかった。しかし、これからはそうではない。ビジネスシーンでも使えて、自宅で着用しても違和感がない服が求められると感じました。

――テレワークによって、長らく続いていた「仕事服=スーツ」という常識が崩壊したとも言えますね。

治山 クールビズ(2005年)あたりから、ビジネスシーンでの服は変わりつつあり、私たちも時代に合わせてシャツ、ポロシャツ、ジャケットなどを開発していました。コロナがクールビズと異なるのは、リモートワークになり、周囲の同僚の服装に合わせることができないこと。つまり、ゼロからコーディネートを考える必要がありますが、これが苦手な男性は多い。そこで誰でも簡単に応用できるテレワークでのコーディネートの指針を提案しようと考えたのです。

――その指針とは一体どのようなものなのでしょう。

治山 大きなポイントは2つで、キーワードは「きちんと」と「楽ちん」です。

 まず、いくら自宅で仕事をしているにしても、あくまでビジネスシーンにいるのだということを忘れてはいけません。リモート会議で誰かに見られる場合に備え、最低限の「きちんと感」は押さえておく必要があります。

 一方、リモート会議では上半身しか見えませんし、画面上で服装の細かい部分まではわかりません。つまり、極端に言えば「上半身はスーツなのに下半身は短パン」でもOKということです。従来のオフィスファッションはある程度の着圧感があって生地がフォーマルなものが定番でしたが、テレワークの際はとにかく長時間着ていてもストレスなく、楽に過ごせるアイテムを選ぶことができるのです。テレワーク時代におけるビジネスファッションの新常識を踏まえたアイテムやコーディネートを、私は「テレウェア」と名付けました。

役員や上司がズラリと並ぶビデオ会議も、こういったコーデなら「きちんと」と「楽ちん」を両立できる。

キーワードは「スマイリー」

――新しい時代のビジネスファッションとしての「テレウェア」に求められるものとは何ですか。

治山 私が考えるテレウェアの条件は「スイッチウェア」「マナーウェア」「イージーケア」「リラックス」の4つです。その頭文字をとって覚えやすく「スマイリー」としました。

 まず「スイッチウェア」というのは、その服を着ると気分を仕事モードに切り替えられる、という意味です。寝巻きのままでは、よし仕事だ! とはなりづらいですよね。襟付きの服に着替えるだけでも、気持ちが締まります。

 次に「マナーウェア」は、最低限のビジネスマナーを押さえるということです。リモート会議で社外の人と会う時も部屋着のTシャツのままという人もいるようですが、仕事で関わる相手への敬意として、マナーは守らなければいけません。

「ベストはテレウェアとしてはなかなか優秀なアイテム。さっと羽織るだけで仕事モードがONになりますし、仕事相手への印象もグッと良くなります」

 そして「イージーケア」は、洗濯の回数が少なくて済んだりアイロンがけが不要だったりと、扱いやすいアイテムであることです。家で着るものですから、1日の仕事が終わったらクローゼットにしまって翌日また着ればいい、というのが理想ですよね。

 最後の「リラックス」は、着圧感がなく楽に着られること。自宅で長時間、黙々と作業をするのは心も体も疲れますから、服装で自分のコンディションをケアする必要があるのです。

 以上、4つの条件である「スマイリー」を守って、「きちんと楽ちん」に着こなすのがテレウェアのコーディネートの基本なのです。

洗濯して乾かせばそのまま着られる完全ノーアイロン『i-Shirt』。累計550万枚以上を売り上げた「イージーケア」にピッタリな高機能シャツ。

作業に集中する日はできるだけ着圧感がなく、身体に負担がない「リラックスウェア」を選びたい。

――治山さんが提唱する、テレワークにおけるウェア=「テレウェア」、は今までの日本のビジネスパーソンになかった服選びの基準ですね。

治山 長年、ビジネスウェアを仕事にしていて感じるのは、服は何よりも雄弁だということです。仕事で成功する……成功の定義は人それぞれ異なりますが、私が思うに、「いきいきと働き、納得いく報酬を得て、社会全体をよくしていると自覚できる」ことだと感じます。社会的地位に関わらず、成功を手にしている人は、服選びがうまい。流行の服を着ているとか、おしゃれであることなどではなく、相手に違和感を与えず、清潔感があり、その人に“しっくりくる服”を着ているのです。

――故スティーブ・ジョブズ氏がハイネックのカットソーとデニムを着続けたという例もありますね。

治山 働き方、生き方だけではなく、服も“自分軸”で選べるようになったのです。テレウェアは公私半々の服でもありますから、その人らしさがとても出てくる。自分にしっくりくる服こそが、アフターコロナ時代の“勝負服”になるでしょう。

──次回は「テレウェア」の具体的なアイテムやコーディネート例をお伺いします(つづく)。

取材/仲山洋平、構成/前川亜紀

テレワークのためのビジネスコーディネートBOOK
きちんと楽ちん「テレウェア」
著/はるやま商事(株)代表取締役 治山正史
テレワーク時代のビジネスファッションについて、「きちん」「楽ちん」の観点から、ビジネスウェアのプロが解説。50パターンのコーディネートを紹介している、新・ビジネス服のバイブル。
https://www.shogakukan.co.jp/books/09310670

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