
ドトールやコメダ珈琲などのカフェチェーンや、モスバーガーなどのハンバーガーショップでも大豆で作ったソイミートを使用したハンバーガーが販売されるなど、植物性食品市場が盛り上がりを見せている。
日本では、肉や魚、乳製品などを使用しない「ヴィーガン」のフードは沢山見られるようになってきたが、海外ではドリンク領域にもヴィーガンの波が押し寄せている。
今アメリカで注目が集まっているのは、人気女優のキャメロン・ディアスがローンチした「ヴィーガンワイン」である。
キャメロン・ディアスがローンチしたヴィーガンワインブランドとは?
ロサンゼルスを拠点とするファッションブランド「Who What Wear」の創設者でもある女性起業家 キャサリンパワーと共に、ヴィーガンワインブランド「Avaline」をローンチしたキャメロン・ディアス。
https://drinkavaline.com/pages/find-avaline
スペイン産の辛口白ワイン「Avaline White」と、フランス産の軽い口どけのロゼ「Avaline Rosé」の2種類のワインを販売している。
https://drinkavaline.com/pages/find-avaline
ほとんどのワインで使用されているブドウはオーガニックではなく、70以上の添加物が使用されていることを知り、有機ブドウを使用した、砂糖、着色料、添加物といったものを一切使用しないヴィーガンワインを作り上げた。
日本でいち早くヴィーガンワインを販売した「ビオセボン」
日本ではあまり馴染みのないヴィーガンワインだが、オーガニックストア「ビオセボン」では世界最大のオーガニックワイナリーでありチリの「エミリアーナ・ヴィンヤーズ」で作られたヴィーガンワインをはじめ、世界各国のヴィーガンワインが販売されている。
ノンアルコールのヴィーガンワインも取り扱っている。
しかし、ここで1つ疑問が出てくる。
「ブドウで作られているワインはヴィーガンとは無関係なのではないか?」と。
実は動物性由来の成分が入っているワイン
ヴィーガンとは無関係そうなワインだが、実は醸造過程において、動物由来の成分が入ったものを使用している。
ブドウを発酵させたワインには、ブドウに含まれるペクチンやポリフェノールといった物質や、たんぱく質などの不純物が入っているため、濁っている。
これらの濁りを取り除き、透き通った色のワインにするために、「清澄剤」という物質を入れるのだが、この清澄剤に動物性由来の成分が使用されているのである。
例えば、赤ワインの不純物を取り除く際に、清澄剤としてワインの名産地フランス・メドック地方で昔から使用されていたのが卵白。
ヴィーガンワインでは、卵白でできた清澄剤を使用する代わりに、ゼラチンやベントナイト(粘土質のパウダー)を使っているのだ。
通常のワインがヴィーガンでない理由を分かって頂けただろうか。
ワインを作る工程で生まれたスイーツとは?
余談だが、フランスでは清澄剤として使用した卵白の残りの卵黄を有効活用するために、あるスイーツが生まれた。
日本でも有名なスイーツなのだが、何か分かるだろうか?
正解はカヌレ。
たっぷりの卵黄に、バターやラム酒などを入れて作った大人のスイーツ。食料を有効活用して、何世紀にもかけて人々から愛されるスイーツを生み出すフランス人、恐るべし…!
ヴィーガンワインにチャレンジしてみては?
ボジョレーヌーボーが解禁されるなど、ワイン業界が盛り上がるこの季節。
ヴィーガンワインにもトライしてみてはいかがだろうか。
文/小松佐保(Foody Style代表)
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