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ついに発売された「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」買うならどれが正解?

2020.10.25

■連載/石野純也のガチレビュー

 iPhone 12シリーズの全4機種のうち、2機種が10月23日に発売された。標準モデルとしてシリーズの中心に位置づけられる「iPhone 12」と、そのプロ版にあたる「iPhone 12 Pro」がそれだ。iPhone 12シリーズは、全機種が高速通信規格の5Gに対応。通信速度の向上に合わせ、カメラ機能やディスプレイ性能を大幅に強化した。

「iPhone X」以降続いていた、丸を帯びたフレームのデザインも刷新。かつて高い人気を誇ったiPhone 4や5を彷彿とさせる、直線的なフレームデザインを採用する。従来モデルよりも、ベゼル(額縁)の幅を狭くすることで、より先進性を強調したデザインに仕上がっている。iPhone 12に関しては、有機ELを採用したことで、先代のiPhone 11より、薄く、コンパクトになった格好だ。

 フルモデルチェンジを果たし、初めて5Gに対応したiPhoneだが、その実力はどの程度のものなのか。発売に先立ち、iPhone 12とiPhone 12 Proの実機を試用することができた。ここでは、その実力をチェックしていきたい。

5Gに対応したiPhone 12シリーズ。左がiPhone 12 Pro、右がiPhone 12で、ともに10月23日に発売になった

大きく姿を変え、標準モデルのiPhone 12も有機ELを搭載

 iPhone 11シリーズのころは、「iPhone 11」と、その上位版にあたる「iPhone 11 Pro」「iPhone 11 Pro Max」でデザインのテイストが異なっていた。iPhone 11は、iPhone Xからの直接的な後継機ではなく、「iPhone XR」からの派生モデルだったためだ。ディスプレイには液晶を、フレームにはアルミニウムを採用しており、スタイリッシュな印象のProモデル2機種に比べ、よく言えばかわいらしい見た目だった。カラーバリエーションが豊富だったことも、その印象を強化している。

 これに対し、iPhone 12シリーズは4機種でデザインを共通化した。フレームの素材は、Proモデルのみステンレススチールで、その他の2機種はアルミニウムのままだが、ディスプレイが有機ELに統一された結果、形状の差異はなくなった。結果として、今回試用したiPhone 12とiPhone 12 Proは、寸法が完全に同じになっている。ケースなどのアクセサリーも、両機種で使い回せる仕様になっている。フレームの素材や、カメラのスペック、ストレージの容量などで2モデルを選べるようになったというわけだ。

大きくデザインを変えたiPhone 12

iPhone 12 Proは、iPhone 11 Proとの比較で、画面サイズが大きくなっている

iPhone 12はアルミニウム、iPhone 12 Proはステンレススチールを採用。質感だけでなく、重量の違いにも直結している

 ただし、同じ有機ELといっても、明るさには違いがあるようだ。2機種を並べてみるとわかるが、わずかにiPhone 12 Proの方が明るい。屋外での見やすさは、iPhone 12 Proに軍配が上がる。一方で、特にiPhone 12が暗いというわけではないため、心配は無用だ。HDRの動画を視聴する際には、どちらも最大1200ニトまで輝度が上がるうえに、コントラスト比も20万対1と高い。

 iPhone 12に関しては、液晶から有機ELに部材が変更になったことに加え、解像度も大きく上がっている。iPhone 11は1792×828ドットだったのに対し、iPhone 12は2532×1170ドット。ピクセル密度も326ppiから460ppiに上り、写真や動画などを表示した際の精細感は大きく向上している。iPhone 12 ProはiPhone 11 Proを正常進化させた端末なのに対し、iPhone 12は基本性能を大きく底上げして、よりProモデルに位置づけを改めた端末と言えそうだ。

つながれば超高速の5G、エリア拡大にも期待したい

 通信機能についても、無印モデルとProモデルの間の差異はなくなった。iPhone 12、12 Proはいずれも5Gに対応。国内ではドコモ、au、ソフトバンクの5Gを利用できる。残念ながら、9月に5Gを開始したばかりの楽天モバイルの5Gには非対応になっているようだ。eSIMのプロファイルをiPhone側に書き込んでみたところ、設定メニューから5Gの項目が消えてしまった。ただし、4Gであれば楽天モバイルも利用はできた。

4機種とも、5Gに対応。「5Gオート」に設定しておくと、高速通信が不要な場所で、自動的に4Gに切り替わる

 各社とも、エリアは非常に狭く、都内であってもエリアマップを見て、狙ってその場にいかなければ5Gに接続できない。だが、つながってしまえば速度は非常に速く、4Gまでのころとは文字通りケタ違いのスループットが出る。例えば、渋谷の駅前にあるドコモの5Gエリアで計測した数値は以下のとおり。800Mbps以上のスループットが出ており、アプリや動画など、サイズの大きなデータもすぐにダウンロードできた。

4Gよりケタが1つ大きいスループット。ただし、エリアは超限定的だ

 つながれば非常に速い5Gだが、エリアの拡大は各キャリアの頑張りを待つしかないのがもどかしい。とはいえ、KDDIやソフトバンクは、冬から来年春にかけ、4Gの周波数の一部を5Gへ転用する予定。基地局にもよるが、比較的新しく設置されたものの場合は、ソフトウェアアップデートで転用が可能になるため、5Gのエリアを広げやすい。転用でできたエリアは、現行の5Gのような速度は出ないおそれがある一方で、エリアの狭さにガッカリすることはなくなる。

 ちなみに、iPhone 12、12 Proはいずれも対応周波数が非常に多く、アップル自身も「スマホで最多」と語っている。対応周波数をチェックしてみると、4Gから転用した5Gにも対応しており、今後はこうしたエリアでも利用できるようになる見込みだ。当初はほとんど4Gにしかつながらないと思われるが、使っているうちに、徐々に5Gのアイコンを目にする機会が増えてくるはずだ。iPhone 12シリーズが一斉に5Gへと対応したことで、キャリア同士のエリア拡大競争も加速するかもしれない。

iPhone 12シリーズは5Gの対応バンドがスマホ最多で、4Gから転用した5Gにも対応するようだ

 ちなみに、iPhone 12シリーズは、引き続きeSIMに対応しており、物理的なSIMカードとの同時待受けに対応している。物理SIMとeSIMのデュアルSIMとして利用できるのだ。SIMフリーであれば、大手キャリアで電話を待受けつつ、データ通信は割安なMVNOを使うといったことも可能。ただし、デュアルSIMにする場合は、残念ながら、5Gの通信は自動的にオフになってしまうようだ。

eSIMをオンにしてデュアルSIM化したところ、5Gに接続できなくなった

着実に進化したカメラ、動画のクオリティは劇的に向上

 通信以外の機能で、大きく進化しているところはやはりカメラだ。センサー自体の変化は少ない一方で、チップセットが「A14 Bionic」になり、機械学習の処理能力が大幅に上がったことや、レンズの明るさがF1.6と明るくなったことで、総合的にカメラ性能が向上している。iPhone 12は超広角と広角のデュアルカメラ、iPhone 12 Proは超広角と広角と望遠のトリプルカメラだが、超広角と広角については、2機種とも性能は共通している。

iPhone 12はデュアルカメラ、iPhone 12 Proはトリプルカメラを採用する

 実際に撮った写真は以下のとおり。レンズが明るくなったことで、より光を取り込めるようになったため、全体的に写真が明るくなり、しかも色のバランスが正確になっている印象を受ける。iPhone 12シリーズでは、A14 Bionicの力を使ったシーン検出が取り入れられており、被写体を判別。人物には人物の、背景には背景の適切な処理をかけるため、色がどこかに引っ張られるようなことが少なくなった。

iPhone 12 Pro(上)とiPhone 11(下)で同じ被写体を撮影。全体として明るさが増し、お皿や料理の色も正確に出ていることがわかる

 超広角カメラの歪みも、機械学習でしっかり補正している。一般的に、iPhone 12シリーズの搭載する13mmの超広角レンズは、魚眼レンズのように端から大きく歪んでしまうものだが、実際には、そうならない。歪みがゼロになるわけではないが、左右に向かって緩やかにカーブしているだけだ。これも機械学習の処理によるもので、超広角カメラの持つダイナミックな印象を残しつつ、不自然にならない程度にしっかり補正していることがわかる。

超広角、広角、望遠、それぞれで撮った写真。超広角は歪みが少なく、ダイナミックな絵になる

 とはいえ、静止画の進化は、iPhone 11シリーズなどとしっかり撮り比べなければ気づけないかもしれない。よりインパクトが大きいのは、動画撮影だ。このスペックはiPhone 12とiPhone 12 Proで差分があり、2機種ともDolby VisionによるHDR撮影には対応しているが、前者は4K、30fpsまでなのに対し、後者は4K、60fpsで撮ることができる。より動画を滑らかに撮りたいなら、iPhone 12 Proを選んだ方がいいというわけだ。

HDRをオンにして撮った動画。ダイナミックレンジが広く、明るい場所がきらびやかに見える

iPhone 12 Proのみ、4K、60fpsでのHDR撮影に対応している

 HDRをオンにして撮った動画は、ダイナミックレンジが大きく上がり、明るいところは鮮やかに、暗いところはクッキリと締まって見える。映像が浮かび上がるように見えると言っても、あながち大げさではない。それだけDolby Visionの効果が高いということだ。

 残念なのは、対応機器が限られている点。iPhone 12シリーズやiPhone 11 Proで視聴できるのはいいが、ほかのスマホやテレビだとモデルが限定される。YouTubeなどのネットサービスもDolby Visionに対応していないため、撮影時に意図したクオリティで他人に見せられない可能性があることは念頭に置いておきたい。そうは言っても、一目でわかるクオリティの差があり、インパクトの大きな機能であることは間違いない。

 デザインが変わり、ディスプレイ性能も向上したうえに、5Gに対応したiPhone 12シリーズ。さらに、カメラの画質が大きく改善されている。動画のクオリティについては、1世代ぶんとは思えないほどの違いだ。11月に発売を控えるiPhone 12 miniや、カメラの画質をさらに高めたiPhone 12 Pro Maxも気になるところだが、画面サイズが標準的で、価格とのバランスがいいのはこの2機種だ。どうしてもコンパクトなiPhoneがほしかったり、カメラの画質にはとことんこだわりたかったりするのであれば別だが、そうでなければ、先に登場するiPhone 12、12 Proに飛びついても後悔することはないはずだ。

【石野's ジャッジメント】
質感        ★★★★★
持ちやすさ     ★★★★
ディスプレイ性能  ★★★★★
UI         ★★★★
撮影性能      ★★★★★
音楽性能      ★★★★
連携&ネットワーク ★★★★★
生体認証      ★★★★
決済機能      ★★★★★
バッテリーもち   ★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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