
コロナ禍を機に定着しつつあるテレワーク。
この流れから、2021年度に政府も地方創生推進交付金として最大100万円を交付するという予定という。
実際、人材派遣大手のパソナが本社機能を兵庫県・淡路島へ移転することを決めたり、東京都の人口も(多くの地方転出による)純減の動きがみられるようになってきた。
おそらく、この流れは止まらないのであろう。
その先にどんな暮らしが待っているのか・・・
私事で恐縮だが、筆者は海外出張も多いが国内出張も多い日々を過ごしている。
農水産業を中心に、オフィスワークというよりも現場でのフィールドワークが多い仕事柄、日本そして海外の各地を廻っていて以前から感じることがあった。
(なぜ日本の地方部には一息つけるカフェが少ないのだろう・・・)
冒頭のような背景から、今後、各地方で新たなコミュニティを形成する動きは増えてくるだろう。
新たなコミュニティから新たなアイデアが生まれる、そんな素晴らしい流れが期待される。
でも、海外と比べると何かが足りない。
やはりコミュニティの中心には”集いの場”が必要で、日本にはまだまだそんな場が少ないなあと思う今日この頃。
そんな日本の流れのお手本となるであろう国がある。
それが、南半球・ニュージーランド。
筆者はニュージーランドでも水産業や切り花などの仕事があり、現地に入ってはレンタカーを廻って地方部を廻る日々を過ごしてきた。
この国の印象に残っているのが、
(小さい村ばかりなのに素敵なカフェが多いなあ・・・)
ということ。
ニュージーランドの場合、雄大な大自然をドライブしていると、そんな大自然の合間合間に村というべきレベルのコミュニティが点在している。
特筆すべきは、全てのコミュニティにあるとは言えないが、随所に”集い場”となる素敵なカフェがあることだ。
一つ、筆者のお気に入りのカフェをご紹介しよう。
場所はニュージーランド北島の中心都市オークランドから南東へ車で1時間ほど、クレーブドン(Clevedon)という小さな村。
人口は、たったの1,000人。
まず、この村に行くまでのドライブが楽しい。朝の静けさ、新鮮な空気に美しい緑。これぞ地方部の醍醐味です。
そしていよいよ、Clevedonの村へ。
お目当てのカフェの名前はThe Corner Kitchen & Bar.
この村の中心に位置し、言ってみれば、”村のたまり場&台所”というべき場所。
店内に一歩足を踏み入れると、木のぬくもりを感じられるような温かみのある雰囲気。
入った瞬間からホッとできる、リラックスできる空間である。
実際、テーブル越しに周りを眺めていると、お客さん同士はほぼ顔なじみの様子で会話が弾んでいる。そんなところがリラックスできる空間を生み出しているのだろう。
筆者の場合はここで朝食を取ることが多く、目覚めにFlat Whiteのコーヒーから始まりエッグベネディクトへと続くのだが、繰り返しになるのだが、ここは大きな街ではない。村レベルの場所である。
にも関わらず、クオリティの高いカフェが中心に位置し、ここから地域のコミュニティの輪が広がっているのである。
元々筆者がこのカフェを知ったのは、とある取引先の方からミーティング場所に指定されたからであるが、その際にカフェに居た取引先の知人も紹介され、ビジネスまでは至っていないが今でも細々ながらお付き合いが続いている。
これは筆者の願望でもあるのだが、今後のテレワークの流れの先で、そんなコミュニティセンターになりうるカフェが日本中に出現することを望まずにはいられない。
文/小林邦宏
旅するビジネスマン。これまで行った国は100ヶ国以上。色んな国で新しいビジネスをつくるおじさん。
現在は新型コロナウィルスの影響で海外渡航制限中により国内で活動中。
オフィシャルサイト:https://kunihiro-kobayashi.com/
Youtubeチャンネル:「旅するビジネスマン 小林邦宏チャンネル」
Twitter: @kunikobagp
著書:『なぜ僕は「ケニアのバラ」を輸入したのか?』(幻冬舎)
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