
世界的に有名な時計の見本市バーゼルフェアも2021年度の開催が中止が決まるなど、新型コロナウイルスにより時計業界も大きな影響を受けています。一方で、実は高額の時計の人気は上がっているというのです。さて、どのあたりがお買い求めに?と意識して見回してみると、オンラインイベントなどの登壇者の腕に輝く時計、目につきますね。スーツを昔ほど買いそろえない分、20代から高級時計を購入する人も増えているとか。
時計沼にハマった人ならばぜひ注目してほしいのが、「三越ワールドウォッチフェア」。国内最大規模級の規模と品揃えで国内外名門ブランドの新作ウォッチから、限定モデル、世界的に希少な逸品を直接見ることができるイベントは、回を重ねて23回目を迎えました。
会場ではトークイベントなども実施されます(座席は事前予約制)。一部はオンラインでも参加できます。
今回は出展される時計のなかから、ピックアップしてご紹介します。
ジャガー・ルクルトの細密彫金の超絶技巧を集約した天空ディスクの時計
ジャガー・ルクルトの「マスター・グランド・トラディション・グランド・コンプリケーション」は、世界限定8点という超レア時計。腕時計という小さな世界に、23時間56分41秒の1恒星日でダイヤル上を1周するオービタル・トゥールビヨン、優れた音質を生み出す角断面のクリスタルゴングなどの独自の技術を集約したミニッツリピーター機構など、複雑時計製造の技術の粋を詰め込んでいます。
ジャガー・ルクルト「マスター・グランド・トラディション・グランド・コンプリケーション」4,400万円(販売予定価格)
ダイヤモンド225個のまばゆい輝き ピアジェの「ライムライトガラ」
左右非対称のラグを特徴とするデザインは、ピアジェの代表作。1970年代に発表されたアーカイブから着想された「ライムライトガラ」は、K18KWGケースに約2.88カラットのバゲットカットダイヤモンド68個、文字盤に約3.34カラットのバゲットカットダイヤモンド112個、さらにバックルにもブリリアントカットダイヤモンド45個、計225個ものダイヤモンドを配した超豪華モデル。ラグ部分をブルーサファイアのグラデーションにしたモデルも販売されます。
独立時計師によるマスターピースがさらに充実
2019年のオープン以来、世界中の独立時計師が来日するサロンとなっていた、ウォッチ・ギャラリー。その際に新設された「cal.BAR」では、時計愛好家の注目を集めるスモールメゾンや独立時計師によるマスターピースを常設展開しています。今回はそちらに新たにボヴェの「リサイタル26」が到着。ケースがクリアになっているため、横からも機械の動作の様子が見られる仕様はマニアならずともうっとりしてしまいます。
ウォッチギャラリーの「cal.BAR」カウンター内には、来日した独立時計師たちのサインが!
「cal.BAR」には独立時計師たちの写真とともに、唯一無二の存在感を持つ時計の数々が展示されています。
ドイツの時計ブランド あなたはいくつ知ってる?
2020年はドイツにおける時計産業が本格的に始まってから175年を迎えたアニバーサリーイヤーということで、普段三越ウォッチギャラリーでは取り扱っていない、ラコ、チュチマ、ハンハルト、ダマスコの4ブランドを紹介。今回は合計でドイツから20ブランドを展示販売。「ドイツブランドをこの規模で紹介するのはなかなかないと思います」と担当者も語るラインナップ。いわゆる軍用時計から、ジュエリーウォッチまで幅広くそろえています。
チュチマ・グラスヒュッテの時計。価格は42万6000円(写真左)と27万5000円(写真右)
ダマスコの時計 価格は46万7,500円(写真左)と41万8,000円(写真右)
会場内には新旧機械式時計の歴史に触れられる展示も
会場内には販売している商品以外にも、「時の懸け橋」と題した貴重な時計の歴史の展示や、未来の独立時計師たちの作品や制作途中の時計も展示。時計の歴史における過去の歴史から、次の未来を作る世代の作品にも触れられる機会となっています。
福沢諭吉が記した改暦の解説書「改暦弁」。 ※展示品は複製コピーです。
ひこみづのジュエリーカレッジ研究生による機械式時計制作過程の展示。
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第23回三越ワールドウォッチフェア〜時の懸け橋〜
会期:10月14日(水) ~ 27日(火) 日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリー
10月14日(水) ~ 19日(月) ※最終日午後6時終了 日本橋三越本店 本館7階 催物会場
10月14日(水) ~20日(火) 日本橋三越本店 本館1階ステージ
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取材・文/北本祐子