スマホを使って風景写真を撮ろうとした時に「この広い空をそのまま切り取りたい!」と思った経験はないだろうか。もしくは、室内で壁などが邪魔になり「もう少し引きで撮れたらみんなの姿が全部撮れるのに!」ということも。こんな時に役立つのが広角レンズ。今回は、スマホで使える広角レンズを紹介していこう。
スマホ用の広角レンズとは? レンズを交換するの?
カメラのレンズは、画角別に大きく3種類に分かれている。画角とは、同じ場所から撮影した時に写真に写る範囲のことだ。遠くのものがアップで撮れる「望遠レンズ」と、人間の目で見た画角に近い「標準レンズ」、広い画角が特徴の「広角レンズ」だ。
画角の表記は、35mmフルサイズのフィルムカメラやデジタルカメラで換算されることが多い。一般的には35mm換算で50mmのものを標準レンズ、それを超えるものを望遠レンズ、50mm未満のレンズを広角レンズという。つまり広角レンズとは、人間の目で見た画角より広い範囲を捉えられるレンズだ。
50mm未満といっても、49mmから小刻みにレンズが存在しているわけではない。よくある広角レンズの画角は、35mm、28mm、24mm。特に24mm以下を超広角レンズといい、10mmや6mmの画角が180°に近くなってくるものは魚眼レンズと呼ぶことが多い。
今回紹介するスマホ用の広角レンズは、スマホのレンズにかぶせて使うタイプのもので「0.6倍広角レンズ」や「0.4倍広角レンズ」などと表記される。これは、スマホのレンズが35mm換算で50mmであった場合、0.4倍広角レンズをかぶせると、実質20mmの超広角レンズとして使えるという意味だ。
スマホの広角レンズは風景を撮る時以外にも便利!
広角レンズが活躍するシーンは、雄大な風景や街並みを撮る時ばかりではない。
部屋の全景を撮りたい場合や仲間との集合写真を撮る時なども、広角レンズは活躍するだろう。広角レンズを使えば、標準レンズでは映らない広い範囲を収められる。
スマホ用広角レンズの画像には歪みがある!?
画像の歪みは、スマホ用の広角レンズに限らず、デジカメ用の超広角や魚眼を含む広角レンズ全てが持っている特徴だ。
広角レンズの画像は、画面の端が外側に引っ張られて歪む。この歪みは、広角レンズの味として楽しもう。
歪みなしのスマホ用広角レンズはないの!?
一眼レフなどの広角レンズでは、レンズ本体の中で数枚のレンズを組み合わせ、なるべく歪みが出ないように工夫している。完全に歪みをなくすのは難しいが、広角レンズを選ぶ時には歪みを減らすノウハウを持つレンズメーカーの商品を選ぶのも手だろう。なお、多少の歪みであれば、アプリや画像処理ソフトである程度は補正できる。
スマホ用の広角レンズは動画撮影にも使える?
多くのスマホは、静止画用のレンズと動画用のレンズを共用しているはず。仮に別のレンズを使っていたとしても、静止画用の広角レンズは動画用レンズでも使える可能性は高い。
広角レンズ搭載のスマホはあるの?
ハイエンドモデルのスマホには、最初から広角レンズが搭載されているものもある。その多くが「超広角」、「広角(メイン)」、「望遠」のトリプルカメラやクアッドカメラ搭載のモデルが近年は多い。
代表的なスマホの広角レンズを比較
ソニー「Xperia 1 Ⅱ」、サムスン「Galaxy S20 5G」、HUAWEI「P40 Pro」、OPPO「Reno 10x Zoom」、「iPhone 11 Pro」といったトリプルカメラ、クアッドカメラを装備したスマホの画角を見てみると、超広角は13~18mm、広角は26~27mm近辺である場合が多いようだ。
スマホ用広角レンズのおすすめ
ここからはスマホ用広角レンズのおすすめ品を紹介していこう。
低価格で自撮りにも使いやすいものと、歪みが少なく高品質なものの2製品を紹介する。
一眼レフカメラのレンズメーカーが作った歪みにくいスマホ用広角レンズ
KenkoTokina(ケンコー・トキナー)は、一眼レフの交換レンズや光学フィルターを製造する日本の光学機器メーカーだ。
「リアルプロ シネマティック4K HD ワイド0.6x」は、一眼レフのレンズ開発で培った技術力を活かし、周辺解像度の改善や低歪みを実現した高品質なスマホ用広角レンズ。広角でも歪みをおさえた写真を撮りたい人におすすめだ。
なお、スマホ用レンズのリアルプロシリーズは、魚眼や望遠、マクロレンズもラインナップしている。
自撮りにおすすめのスマホ用広角レンズ
こちらは、Amazonの売れ筋ランキングで上位のLuxsureというメーカーの商品。
倍率は0.6倍。また、15倍のマクロレンズとしても使える優れものだ。多くのスマホに対応していて、価格も2880円(税込み)前後とリーズナブル。軽量なので自撮りに最適だ。
【参考】Amazon製品詳細ページ
望遠レンズは独特のボケを楽しめるが、広角レンズによる写真もまた違った味がある。スマホ用のレンズはどれも小さくて持ち運びに便利だ。バッグの中にいつもお気に入りの望遠レンズと広角レンズを忍ばせておいて使い分ければ、一眼レフに匹敵する写真を撮れることだろう。
※データは2020年9月中旬時点での編集部調べ。
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文/ねこリセット