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コロナ禍を機に7割以上の企業が推進しているデジタル施策TOP3、3位ペーパーレス化、2位テレワークなどリモート設備導入、1位は?

2020.10.17

企業の75.5%が新型コロナを契機にデジタル施策を推進

緊急事態宣言が解除されて以降、経済活動への制約などが徐々に緩和され、日本の社会・経済は再び動き出した。

しかし、感染者数増加にともない一部の都道府県では外出自粛や営業時間短縮が要請されており、経済活動が再び停滞することが懸念されている。

また、政府は雇用調整助成金の期限を2020年12月末までに延長するなど、雇用の維持や事業継続、地域の活性化に資する各種対策などを進めている。

今後、業績へマイナスを見込む企業は 14.4%と 3 カ月連続で 1 割台

新型コロナウイルス感染症による業績への影響

TDBが新型コロナウイルス感染症により自社の 業績にどのような影響があるか調査したところ、『マイナスの影響がある』(「既にマイナ スの影響がある」と「今後マイナスの影響が ある」の合計)と見込む企業は 82.5%となった。7 月から 0.2 ポイント減となり、4 カ 月連続で減少した。

内訳をみると、「既にマイナスの影響がある」(68.0%)が 7 割近くにのぼる一方、「今後マイナスの影響がある」(14.4%)は 3 カ 月連続で1割台となり、先行きに対する不透明感は和らぎつつある。 

他方、「影響はない」とする企業は 9.3% だったほか、『プラスの影響がある』(「既にプラスの影響がある」と「今後プラスの影響 がある」の合計)は 3.8%で、7 月から 0.7 ポイント増となった。プラスの影響を見込む企業は、 緩やかながらも毎月増加が続いている。

業績に『マイナスの影響がある』割合

『マイナスの影響がある』と見込む企業を業界別にみると、『運輸・倉庫』が 86.9%でトップ。 以下、『製造』(85.8%)、『不動産』(84.4%)、『卸売』(84.0%)が続いた。さらに、業種別にみると、「旅館・ホテル」が 100%となった。

次いで、「飲食店」(93.7%)、「家具類小売」(93.3%)、 「輸送用機械・器具製造」(92.5%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(92.3%)が並んだ。企業からも「貸切バス事業では三密を拭い切れないため、空気清浄やアルコール消毒、ビニールシート の設置など出来ることは実施しているが、壊滅的な状態である」(一般貸切旅客自動車運送、東京都)といった厳しい声があげられている。

業績へプラスを見込む企業、新型コロナ関連の調査開始以来、徐々に増加

業績に『プラスの影響がある』割合

『プラスの影響がある』と見込む企業を業界別にみると、『小売』が 11.7%で最も高く、そのう ち 8.2%は既に業績へプラスの影響が表れている。次いで、『金融』(6.7%)、『農・林・水産』、『卸 売』(ともに 4.7%)、『運輸・倉庫』、『サービス』(ともに 3.9%)が続く。

さらに、業種別にみると、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が 38.3%で最も高く、 2 カ月連続で 4 割近くにのぼった。次いで、インターネット接続業などの「電気通信」(22.2%) や「飲食料品小売」(20.3%)が 2 割台で続いたほか、「医薬品・日用雑貨品小売」(16.7%)、「飲食料品・飼料製造」(13.0%)が上位に並んだ。

企業からは、「主に医療関連施設の消毒業務を実施していたが、今回の新型コロナウイルス感染症の影響で一般施設でも衛生面の意識が高まり、消毒関連の受注が見込まれる」(環境計量証明、 山形県)や「テレワークなどが増えてきたことにより、街中の狭いマンションより郊外の一戸建てを購入する層が増えてくるように思う」(木材・竹材卸売、京都府)など、意識や志向の変化により業界・業種によっては、事業の追い風となっている。 加えて、「地方分散が進み、雇用において自社のような都会から離れた企業にもチャンスが来たと思っている」(各種商品通信販売、徳島県)といった、前向きな意見もあげられている。

また、『プラスの影響がある』と見込む企業を月別にみると、2020年2月調査では 1.7%であり、 業種別にみても「医薬品・日用雑貨品小売」(12.0%)が唯一の 1 割台となるなど、厳しい様子がうかがえていた。しかし、小幅ではあるものの、月を追うごとにプラスの影響を見込む企業は増加し、8 月は 3.8%となった。なかでも、在宅時間の増加にともない需要が拡大した「各種商品小売」などの食料品関連や「電気通信」といった業種がけん引していた。

企業の 75.5%が新型コロナウイルスを契機にデジタル施策を推進

デジタル施策への取り組み状況とその取り組み内容

新型コロナウイルスの感染拡大にともない、日本の企業においてデジタル化の遅れへの対応が喫緊の課題となっている。そこで、新型コロナウイルスを契機として、自社のデジタル施策への取り組み状況について尋ねたところ、「取り組んでいる」企業は 75.5%となり、4 社に 3 社にのぼ った。他方、「取り組んでいない」企業は 19.7%となった。

また、デジタル施策の取り組み内容について尋ねたところ、「オンライン会議設備の導入」が 60.8%でトップとなった(複数回答、以下同)。次いで、「テレワークなどリモート設備導入」 (52.7%)、「ペーパーレス化の推進」(36.2%)、Facebook や Twitter、LINE など「SNSを活用した情報発信」(16.7%)、「電子承認(電子印鑑)の導入」(15.3%)、「オンラインセミナーなどの開催」(15.2%)が上位となった。

規模別にみると、「取り組んでいる」企業は、「大企業」で 88.6%と 9 割近くに達した一方、「中小企業」は 72.7%、「小規模企業」は 63.0%となった。特に「小規模企業」では「大企業」を 25.6 ポイント下回っており、企業規模によってデジタル施策への取り組みに差がみられた。 取り組み内容では、「大企業」は、「オンライン会議設備の導入」が 8 割近くにのぼったほか、 リモート設備の導入やペーパーレス化なども推進している。他方、「中小企業」でも、約半数の企 業でオンライン会議やリモート設備の導入を進めているが、ほとんどの項目で「大企業」より下回っていた。

新型コロナウイルスにより生じた新しい社会・経済環境の変化への対応が一段と重要に

本調査の結果、依然として8割超の企業で新型コロナウイルス感染症により業績にマイナスの影響があると見込んでいたものの、その割合は4月調査をピークに4カ月連続で減少となった。

今後、マイナスを見込む企業も3カ月連続で1割台になっており、先行きに対する不透明感は和らぎつつある様子がうかがえた。

一方で、プラスの影響を見込む企業は徐々に増加している。ライフスタイルの変化にともない、事業内容によっては追い風となる企業も現れてきている。 また、新型コロナウイルスを契機として、企業の4社に3社がオンライン会議やリモート設備の導入をはじめとするデジタル施策に取り組んでいた。しかしながら、企業規模によっては、デジタル施策への取り組みに濃淡が表れていた。

緊急事態宣言の解除以降、日本の社会・経済は再び動き出している。国内の新規感染者数は減少傾向にあるものの、引き続き警戒を怠ることができず、新型コロナウイルス感染症の動向は、 国民生活や企業活動には大きなリスクとなる。 政府や自治体には、経済再生と感染拡大防止のバランスをとりながら、中長期的な日本経済の成長につながる施策が求められる一方、企業においては新型コロナウイルスにより生じた新しい社会・経済環境の変化への対応が一段と重要となろう。

 

調査期間は2020年8月18日~31日、調査対象は全国2万3,689社で、有効回答企業数は1万2,000社(回答率50.7%)。なお、新型コロナウイルス感染症に関する調査は、2020年2月から毎月実施し、今回で7回目となる。

構成/ino.

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