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ボジョレー・ヌーヴォー、今年の出来は?現地から届いた味わい予想と「クリュ・デュ・ボジョレー」の魅力

2020.10.16

今年ももうすぐやってくる、ボジョレー・ヌーヴォー解禁日。毎年11月の第三木曜日に解禁されるので、今年は2020年11月19日(木)だ。

ボジョレーワイン委員会主催のオンラインセミナーに参加し、今年のボジョレー・ヌーヴォーの味わいの予想を現地より解説いただいた。

さらにボジョレー地区で大変上質なワインを造る、10ある特別な地区の「クリュ・デュ・ボジョレー」のワインもご紹介したい。11月のボジョレー・ヌーヴォーだけでなく年間を通して楽しめる、味わい深い「クリュ・デュ・ボジョレー」のワインの魅力にも迫る。

今年のボジョレー・ヌーヴォーは期待できる?

はじめに、ボジョレー・ヌーヴォーとはどんなワインなのか、改めて簡単におさらいしておきたい。

ボジョレーとは、フランスのブルゴーニュ地方にあるボジョレー地区のことで、「ヌーヴォー」は「新しい」という意味だ。その年に収穫されたばかりのブドウで造るため、熟成期間はごく短く、フレッシュな味わいを楽しめる。

ボジョレーワインは単一のブドウ品種のみで造られる。白ワインも造っているが、95%を占めるのが赤ワイン。赤ワインは「ガメイ」というブドウ品種から造られ、とてもチャーミングな果実味としっかりとした酸味が特徴だ。

ボジョレー・ヌーヴォーはその年のブドウの収穫とワイン造りの終了を祝い、70年前からヨーロッパの国々で新酒ワインの発売を記念するお祭りだった。1950年代から現代の文化にふさわしい形のお祝いへと変化。1980年代からは日本でもボジョレー・ヌーヴォーの人気が高まり、現在では主な輸出国のトップ3に入り、毎年盛大に解禁日を祝っている。

ボジョレーワイン委員会会長ドミニク・ピロン氏によると、今年は「成功した年」だと言う。

フランスから中継で解説するドミニク・ピロン会長

「今年はブドウの収穫が早く、9月13~14日までに収穫を終えました。それから醸造に2~3週間かかります。準備は整っています。

11月の3週目は、ボジョレー・ヌーヴォーは2500万本も売れますが、ボジョレーワインは多様化してきています。ボジョレー・ヌーヴォーだけでなく、現在はロゼワインもありますし、オーガニックへの挑戦をしている新しい造り手の動きもあります。『クリュ・デュ・ボジョレー』のワインも積極的に販売するようになっています。

ボジョレーワインはやわらかいタンニンで、いつでも楽しめるワインです。ボジョレーの豊かさと多様性を知っていただきたいです。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、大勢で楽しむことができないので、小さなグループで楽しんで欲しいです」と話した。

温暖化の影響もあり、パリでは昨年、今年と40度を超える日が出たことは記憶に新しい。今年はフランスの多くの地域で、ブドウの収穫時期が早まっている。

ボジョレー・ヌーヴォーに関しても同様だ。セミナーでは、「2003年以来の天候による暑さで、この50年で1番早い収穫となり、例年より3週間近く収穫が早かった」と生産者は話した。その影響について筆者は少し心配していた部分もあったが、「2020年の素晴らしい品質を楽しんで欲しい」との力強い言葉を聞けた。今年も解禁日を楽しみに待とう。

今年のボジョレー・ヌーヴォーのポスター

知っておきたい! 一年中楽しめる「クリュ・デュ・ボジョレー」のワイン

ボジョレー地区の中でも、「クリュ・デュ・ボジョレー」と呼ばれる、高品質で優れたワインを造り出す10の特別な地区がある。ここで造られたワインは、例えば「ロマネ・コンティ」のように村の名前をワインのラベルに記すことができる。

ボジョレーワインといえば、「軽くて早飲みワイン」というイメージかもしれないが、この特別な地区で造られるワインは、高級ブルゴーニュワインのように長期熟成もできるような、複雑な味わいを楽しめるワインも造る。

その10の地区の名前は、「ブルイィ」、「コート・ド・ブルイィ」、「レニエ」、「モルゴン」、「シルーブル」、「フルーリー」、「ムーラン・ナ・ヴァン」、「シェナ」、「ジュリエナ」、「サン・タムール」。ブドウ品種は100%「ガメイ」だ(正式名称は『ガメイ・ノワール・ア・ジュ・ブラン(白い果汁を持つ黒いガメイ種)』)。

今回は「サン・タムール」と「モルゴン」村のワインについて、ボジョレー在住でレストラン「Au 14 fevrier Saint-Amour Bellevue(オ・キャトルズ・フェヴリエ サンタムール・ベルビュ)」支配人兼ソムリエの石塚裕介さんによる、生産者の通訳・解説付きで説明していただいた。

サン・タムールのワイン

サン・タムールとは「愛の聖人」という意味。10のクリュ・デュ・ボジョレーの中で330haと2番目に小さいが、花崗岩、火山岩、粘土質など15もの地質の違いがある。味わいは軽やかで華やかなもの、または力強くてしっかりしているものの2種類を作る。

試飲したワイン:ジョルジュ デュブッフ サンタムール 2017

試飲してみると、ラズベリーや完熟した桃のような香りに、チェリーのような味わいが心地良い。酸味はしっかりとしているので、人によってはやや酸っぱいと思うかもしれないが、とても飲みやすいワインだ。抜栓した翌日の方が、より香りが広がる印象だった。

生産者のアドリアン・デュブッフ氏

同ワインの2018年ヴィンテージを試飲した北海道出身の石塚ソムリエによると、「豚肉を焼いたものや、豚肉とたまねぎを使用してからしをつけて食べる『室蘭焼き鳥』にもよく合います。冷やしても良いですし、一口また一口と、すいすい飲んでしまうような魅力的なワインで、綺麗な酸があり飲んでいて疲れません」とコメントした。

バラのラベルもとても綺麗で、「アムール(愛)」という言葉からも、贈り物にもよさそうだ。

ジョルジュ・デュブッフ氏は今年逝去されたが、ボジョレー・ヌーヴォーを世界的に知らしめたことから、「ボジョレーの帝王」とも呼ばれている。

輸入元:サントリーワインインターナショナル株式会社

生産者名:Georges Duboeuf(ジョルジュ・デュブッフ)

ジョルジュ デュブッフ紹介サイト
当該商品ページ

モルゴンのワイン

モルゴンは10のクリュ・デュ・ボジョレーの中で1100haと最大の面積を誇り、コクがあり濃厚で、肉付きのよいワインを造る。さくらんぼやグリオット、赤い果実とスパイスの香りがするのも特徴だ。

早飲みにも向くが豊かでコクがあり、力強いワインなので長期熟成が楽しめる。時間をかけることにより、モルゴンの特性を凝縮したワインへと熟成することを、この地方では「モルゴン化する」と表現するそうだ。

試飲したワイン:ドメーヌ・ドミニク・ピロン モルゴン コート・デュ・ピ 2017

ダークチェリーやカシス、バラ、スパイスの香りもある。渋みは中程度のミディアムボディだが、余韻は長い。時間が経つとさらに複雑な香りへ変化する。フルーティさだけでなく、土っぽい香りなども現れて、ボジョレーワインのイメージが大きく変わる。高級なブルゴーニュワインのような複雑な味わいがあるが、ボジョレーの特徴である「酸味」を綺麗に感じる。

生産者によると

「2017年はたくさん嵐や雹があり少し難しい年だったが、結果的には素晴らしいワインができた。味わいはしっかりとしているが、タンニンも効いていないので、非常にシンプルに楽しむことができる。いろいろな料理や、ジビエ、鴨、焼いたお肉にもよく合う」とコメント。

石塚ソムリエも「強い骨格と強い果実味とともに、非常にやわらかいタンニンが口の中に広がり、ジビエや鴨など色々な料理に合う」とコメントした。

輸入元:株式会社アルカン

生産者:Domaines Dominiques Piron(ドメーヌ・ドミニク・ピロン)

ECサイト
当該商品ページ

石塚ソムリエは2種類のワインとも、ワインの温度が18度を超えないように、冷蔵庫に入れて冷やしてから飲むことを推奨している。

ボジョレーの魅力、それはまさに一言で「多様性」である

石塚ソムリエより、改めてボジョレーワインの魅力と、これから知って欲しい楽しみ方について話があった。

「以前はボジョレー・ヌーヴォーの隆盛により、質より量を求めた時代が無かったかと言われると、100%否定はしきれません。

ただ現在は、ボジョレーの造り手たちの方向性は鮮明です。高い品質でなければ、激しい世界のワイン市場で生き残れないということが、しっかりと認識されました。小さな造り手や若い造り手が、いかに個性を、自身が思う理想のワインを生み出そうと、日々戦っています。その造り手一人一人の思いが、ボジョレーワインの多様性、多面性に繋がっています。

『Beaujolais de fête : お祭り用』、『Beaujolais de caractère : 個性があり普段飲み用』、『Beaujolais d’exception : 傑出した特別な機会用』といったように区分しながら、その中でさらに造り手の個性をしっかりと把握し、既存のイメージと切り離し、生まれ変わったボジョレーとして、みなさまに認知していただきたいと思います。

ボジョレーワインはみなさまの多種多様なニーズにお応えすることができる、十分な品質とあり余るバラエティさを備え、色々な料理とマリアージュし、色々な TPO に合わせて楽しむことができる素晴らしさを持っています。

このご時世、ワインの醍醐味である共有、試飲会はできませんが、少人数、在宅で、デリバリーやテイクアウトの利用、もしくは家庭料理となど、今のところコストパフォーマンスも高いボジョレーワインと共に大いに楽しむことができますので、ぜひ色々とお試しいただければと思います」

今年のボジョレー・ヌーヴォーの味わいに期待しつつ、ヌーヴォーだけでないボジョレーワインの魅力も楽しんでみてほしい。

※当記事は2020年9月中旬に取材しております。

【取材協力】
ボジョレーワイン委員会

取材・文/Mami
(一社)日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート

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