今、軽自動車市場にもSUVブームが飛び火して盛り上がりを見せている。小さい、ダサいは昔の話。個性的かつ機能的なデザインと実用性の高さで、ユーザーの心をガッチリつかんでいるこのジャンルの人気の理由を探ってみた。
【クロスオーバーSUV】
スポーツやレジャーに適した装備を持った利便性の高さで、普段使いからレジャーまで幅広く使えるクルマとして人気を集めている。
本格4WDから街乗り系、ハイトワゴンの進化系まで
軽自動車には全長3.40m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下、定員4名以下という規格がある。サイズの制約はあるものの、軽自動車には実に様々なジャンルのクルマが存在する。オープン2シーター、荒地を走破する本格4WD、街乗りクロスオーバー、実用的な2BOXカー、ハイトワゴン、スーパーハイトワゴン……逆に存在しないのは荷室が独立している3BOXのセダンぐらいで、バラエティーに富んでいる。
そんな中、最近次々と新型車が発売されているのがクロスオーバーSUVというジャンル。スズキ『ジムニー』が1970年にデビューし、その後、三菱やダイハツも追従したが生き残ったのは『ジムニー』だけ。2018年に現行型が発売されたが、今でも生産が追いつかないほどの人気だ。『スペーシア ギア』のように既存モデルをSUV風にアレンジするのも流行りだが『ハスラー』や『タフト』のような新型車も登場。『タフト』は発売1か月で月販目標の4.5倍の受注を獲得。注目の新ジャンルはさらに伸びそうだ。
ありそうでなかった!?ハイトワゴンの進化系SUV
スズキ『スペーシア ギア』
Specification
■全長×全幅×全高:3395×1475×1800mm
■ホイールベース:2460mm
■車両重量:890kg
■排気量:658cc
■エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
■最高出力:64PS/6000rpm
■最大トルク:98Nm/3000rpm
■変速機:無段変速CVT
■燃費:19.8km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:176万4400円
※「ハイブリッド XZターボ」FF車
丸形ヘッドランプのほかにフロントグリル、フロント/リアバンパーなどにガンメタリック色を採用し、タフなイメージを強調。
ボディーカラーは9パターン用意されている。ルーフもほとんどがガンメタリック塗装。ルーフレールは全グレード標準装備。
テールランプを高い位置にレイアウトし、後方からの視認性を高めたデザイン。リアゲートの開口部も張り出しがなく大きく開く。
独特のスタイリングで遊べる軽クロスオーバー
スズキ『ハスラー』
Specification
■全長×全幅×全高:3395×1475×1680mm
■ホイールベース:2460mm
■車両重量:880kg
■排気量:658cc
■エンジン形式:直列3気筒DOHCターボ
■最高出力:64PS/6000rpm
■最大トルク:98Nm/3000rpm
■変速機:無段変速CVT
■燃費:20.8km/L(WLTCモード)
■車両本体価格:179万800円
※「ハイブリッド Xターボ」4WD車
丸形ヘッドランプに方向指示灯を組み合わせたフロントマスクデザインを継承。ボンネットを持ち上げたデザインが個性的。
Aピラーを立てて居住空間を広くすると同時に各ピラーをボディーと同色にし、スクエア感を強調。ボディーカラーは全11色。
2014年1月に軽クロスオーバーというジャンルを開拓したモデル。現行型は今年1月に発売。初代に続いて大ヒットしている。