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水中ドローンで駿河湾の深海生物を撮って出し!東京・池袋サンシャイン水族館の深海調査同行レポート

2020.10.11

光がほとんど届かない暗い海。一般的に、水深約200メートル以深に生息する生物を深海生物と呼ぶ。奇妙な見た目と謎多き生態から注目を集めている。深海調査のため、「水中ドローン」を導入した東京・池袋のサンシャイン水族館の深海調査に同行させてもらった。

意外と知らない深海生物・深海魚のこと

深海魚や深海生物が暮らす深い海には太陽光がほとんど届かず、植物プランクトンは光合成ができない。

プランクトンがいないということから、それをエサとする生物はほぼいないと考えられた時代もあったが、現在は調査・研究が進み、多様な生物の存在が確認されている。また、底に向かって雪のように降ってくる、死んだプランクトン「マリンスノー」をエサとする生物が発見されたり、昼と夜でエサを探すために活動する深さを変える生物がいることもわかってきた。

図鑑や水族館展示では本来の姿は見えづらい!

深海生物は特殊な環境で暮らすため、エサのつかまえ方や体の仕組み、繁殖方法もユニークで、詳しい生態が明らかになっていないものが多い。見つかっていない生物も多いはずだ。

深海生物に興味をもって図鑑を見ても、生きて泳いでいる姿を写した写真は多くない。深海で高い水圧を受けて過ごしていた生物を水揚げすると、低くなった圧力により浮袋(浮力調節などをする膜状の袋)や胃袋、目玉が飛び出すこともあるからだ。また、底引き網などで捕まえたとしても、環境の変化により体色がいつもと違うことも考えられる。

深海生物の飼育に取り組む水族館もあり、鳥羽水族館のダイオウグソクムシ、葛西臨海水族園のメンダコ(孵化した個体が飼育最長記録を達成するが展示に至らず)などが話題となった。ただ、飼育は困難で、本来の姿を水槽内で再現するのは至難の業と聞く。

サンシャイン水族館も深海に着目

日本初の都市型高層水族館であるサンシャイン水族館でも、定期的に深海生物をテーマとした展示やイベントを行い、好評となっている。2019年12月には、高価・高性能の水中ドローンを導入し、深海の調査活動を開始。6回目となる調査に同行できることになったので、その内容をお届けしたい。

過去にサンシャイン水族館で展示したメンダコ

サンシャイン水族館が導入した水中ドローン

調査の場所は、駿河湾。静岡県南東部の湾で、石廊崎(いろうざき)と御前崎(おまえざき)とを結ぶ線で囲まれる海域だ。最深部は2,500メートルに達し、日本の湾の中では一番深い湾となり、アジ、サバ、カツオなどの好漁場でありながら、珍しい深海魚も多数生息している。

日本の魚類は淡水魚を含め約2,300種とされるが、駿河湾だけで約1,000種の魚類が生息しているといわれている。サクラエビ、アカザエビ、アオメエソ(メヒカリ)など、食べておいしい深海魚も多い。

静浦漁港から釣り船に乗って出発

深海調査の旅程は、8時40分静浦港(静岡県沼津市)集合、15時解散という内容。水中ドローンを稼働させるポイントは2か所設定してもらった。

静浦港は、都心から高速道路や新幹線で1時間半程度とアクセスは良好。漁協の前に南北に長い堤防が造られており、多くの釣り客でにぎわうところだ。サンシャイン水族館では、「潮丸(うしおまる)」という釣り船を御用達にしている。四季を通じて出船しており、主にマダイとタチウオ目的の釣り客が多い。

当日は、出船から十数分で釣り場ポイントに到着。波の影響は少なく、ほとんど揺れることはなく快適そのもの。あっという間に到着し、市街や海水浴場が近くに見えるのに海の下は水深約200メートル。あっという間に深くなるのが、駿河湾の特徴だ。

ドローン1回目の潜水!

ポイントまで来たら船を停止させ、水中ドローンを海底へ沈める。最初のポイントは起伏に富んだ地形で河川から近い場所。底は泥質で、穴に身を潜める生き物も見える。水中ドローンはケーブルでパソコンとつながっており、海中の映像がソフトを通じて映し出される。ドローン本体は、プレステやスイッチのコントローラーのようなリモコンで操作する。

モニターに生物が映り、そーっと近づいてもサッと逃げる……なんとなく既視感が。モンスターに出会っては逃げられるゲーム、そうだドラクエみたい!

生物は「見慣れないモノ=ドローンが来た!」と驚いて逃げてしまうので、操作にはテクニックが必要だ。フラッシュ光は強弱が変えられるが、強くするとよく見えるが生物が逃げ出してしまうことも。一方で、全く逃げない生物もいる。とはいえ、光に対して生物がどのような反応を見せるかを観察する好機でもある。

エビが穴を掘ってハサミだけ出していたり、アオメエソの目がドローンの光を反射させていたりと、生きて動いている深海生物の姿にスタッフ一同、大興奮。

ワヌケフウリュウウオ

ネズミギス

カナド

穴に潜り、ハサミがちょっとだけ見える。オオコシオリエビだろうか

ドローン2回目の潜水でエビの群れを発見

次のポイントは、深海底引き網漁が行われている場所で、平坦な地形が広がっている。海底はさらさらとした砂地のような感じ。生物があまり見当たらない? と焦っていたら突然、謎のエビ(オキノアカスジエビ?)の集団が前方に。触角は長く、腹に卵をもっている個体もいる。

こちらはパソコン画面を撮影したもの

こちらは水中ドローンから届いた映像をパソコンでキャプチャーしたもの。右上に深度や水温が表示される

「放卵している個体もいることから、もしかしたら産卵期かもしれません」と、船に乗り込んでいた飼育担当の笠原穣さん。

釣り好きの飼育スタッフ笠原さんは、自前の釣竿を携帯。「特に、ターゲットは決めずに中層域の魚を狙います」とのことだったが、なんにも釣れずに残念でした!

船長の計らいで、クラゲのいそうなポイント経由で港へ戻ってもらう。鋭い眼力でクラゲを狙うが……姿はゼロ。「いるときは大発生なんですけどね」と、苦笑。生き物相手なので、こればかりはしょうがない。

沼津土産ならなんといっても魚!

深海調査は無事終了。希少な生物は確認できたが、飼育用に持ち帰れる生体、食べられそうな魚もゼロとなったため、海の幸を求めて静浦港からほど近い沼津港へ行ってみた。こちらは、土産物屋や飲食店が軒を連ねる観光地である。

このあたりの地物なら、キンメダイは外せない。ちなみに、イオンでもキンメダイの干物を扱っていた。さすが沼津。それから、メロ。ひと昔前まではギンダラとも呼ばれていたが、現在はメロ、メローなどと表記する。脂がたっぷりのった白身魚だ。

キンメダイは高値で取り引きされる深海魚

上はメロ、下はタチウオ

深海魚専門の漁師もいて、深海魚専門の「沼津港深海水族館」もある沼津。深海魚以外でも、タチウオやしらすなど、美味な魚がたくさん集まり、この街はまさに魚パラダイス。お出かけして新鮮な魚を食べるのもいいし、サンシャイン水族館の深海生物イベント(2021年1月ごろ実施予定)でも今回の深海調査の動画を公開予定なのでこちらもお楽しみに!

■取材協力
サンシャイン水族館 https://sunshinecity.jp/aquarium/
潮丸(釣り船) http://www.ushio-maru.com/

取材・文/木村悦子

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