
巣ごもり需要の長期化で、好調続くゲーム機市場。任天堂、ソニー、マイクロソフトなどがしのぎを削っているが、これから迎える年末商戦、さらにはアフターコロナを見据えた中長期的視座に立った時、どのような展望が考えられるのだろうか?
そこで今回、三井住友DSアセットマネジメント株式会社が発表した「巣ごもり消費とゲーム機市場」に関するマーケットレポートを紹介していきたい。
『ゲーム機市場』は巣ごもり消費を追い風に好調
コロナ禍で外出自粛などから企業の業況が軒並み悪化するなか、『ゲーム機市場』は巣ごもり消費を追い風に都内の家電量販店などで「ニンテンドースイッチ」が完売する店舗もでるなど活況が続いている。
年末商戦に向けてソニーとマイクロソフトが新型のゲーム機を発売する予定で年末商戦への期待が高まっている。
任天堂、ソニーの好業績はゲームがけん引
任天堂の2020年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比6.4倍の1,065億円と大幅な増益となった。3月20日に発売したスイッチ用ソフト「あつまれ どうぶつの森」はわずか12日間で1,177万本を世界で販売するなど記録的なヒットとなり、ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の2020年度の生産台数は期初計画から2割増の2,500万台規模と、過去最大になる模様。
ソニーの2020年4~6月期の連結決算(米国会計基準)は、純利益が前年同期比53.3%増の2,333億円と、事前の市場予想の平均を上回る大幅な増益だった。けん引したのは、コロナ禍の「巣ごもり特需」で大きく伸びたゲーム事業。同社とマイクロソフトはともに年末商戦向けに、ディスクを挿入して遊ぶ通常版に加えてダウンロード専用機もそろって投入し販売拡大を図る。
【今後の展開】中長期的にはクラウドの台頭への戦略が必要
新型コロナの収束は見通せず、年末商戦に向けてソニーとマイクロソフトが新型のゲーム機を発売することから『ゲーム機市場』の活況は続きそうだ。
ただ両社がダウンロード専用機をそろって投入するのは、ダウンロードの比率が上昇するなどゲーム市場が大きく変わってきたことが背景にある。
中長期的には専用機がなくてもインターネット経由で遊べるクラウドゲームが、次世代通信規格「5G」などの普及でシェアを高めていくとみられている。専用機ならではの魅力を高め、クラウドゲームの台頭にそなえた取り組みが求められる。
出典元:三井住友DSアセットマネジメント株式会社
構成/こじへい