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秋の味覚・サンマに合うワインは「白」で正解?

2020.10.11

秋刀魚の季節がやってきました。とはいえ、今年の秋刀魚は高騰しているそうです。なんでも、8月24日に北海道厚岸(あっけし)町の厚岸漁港市場であった初競りでは一キロ11,000円という値がつきました。これは昨年の初競りの最高値2,330円の5倍近い値になります。一キロは6尾入りなので、1尾1,800円越え。とてつもない高級魚です。

とはいえ、これはあくまで初セリなのでご祝儀という意味合いもあると思います。今スーパーなどに並んでいるのは、中サイズ1尾90円から210円。大サイズ1尾120円から280円程度のようで、少しは落ち着いてきたようでほっと一安心。

秋刀魚には日本酒が合うのですが、ワインを飲みたい人もいることでしょう。ネットなどで調べると、酸味のきいた白ワインがおすすめなどと書かれていますが、本当に秋刀魚には白ワインなのでしょうか。「魚だから白ワイン」と安直に思わないでほしいです。

なぜなら。

秋刀魚は「とても生臭い」からです。特に秋刀魚の塩焼きの内臓部分。秋刀魚の魅力はちょっと苦みのあるはらわたですが、わたをほおばり、白ワインを飲むと、生臭さが際立ってしまいます。白ワインのフルーティーさと苦みがケンカする感じさえします。お醤油をかければ、完全に白ワインの繊細な風味がかき消されてしまいます。スダチやレモンをたっぷりかけると、なんとか生臭みは押さえられますが、今度は秋刀魚の味がわからなってしまいます。

秋刀魚にワインを飲みたいというときには、実は、「赤ワイン」がオススメです。赤ワインが持つ特有の渋みとコクが、不思議と生臭さを消してくれます。少しお醤油を垂らすとより合います。そもそもお醤油は生臭みを消してくれる効果があるうえ、赤ワイン自身と相性がいいのです。少し熟成した赤ワインならなおいいでしょう。赤ワインの熟成感とお醤油の旨味の波長が合うからでしょう。

白ワインが生臭くなる理由

なぜ、白ワインは生臭くなってしまうのか。理由は、ワインに含まれる鉄分が魚の生臭さを強調させるからです。2010年に、メルシャン(株)商品開発研究所(現・キリン(株)ワイン技術研究所)がこの研究結果を公表しています。

研究結果は白ワインではなく「ワイン」ですが、ワインと魚介が一緒になるときの生臭みの正体は、ワインに含まれる「鉄」にあるとしています。特に、ワインの中の「二価鉄イオン」が、魚介の「脂質」の酸化を促進し、臭い成分を瞬時に発生させ、口から鼻にかけて生臭みを感じるというメカニズムを紹介しています。確かに、欧米のワインには鉄分を感じるものが多く、それらと一緒に魚介を食べると、ダイレクトに生臭みを感じます。

また、秋刀魚などの青魚のみならず、エビやイカなどの甲殻類もかなりわかりやすく生臭さを感じます。とはいえ、ワイン大国のフランスやイタリアなどでも魚介料理は多く、それに合わせワインを飲んでいます。あれは生臭くないのでしょうか。

なぜ、生臭くならないかというと、オリーブオイルやバターといった油脂が魚介とワインを仲介し、生臭みを押さえてくれるからです。欧米では魚介を生で食べることは少なく(牡蠣は別)、単に焼くだけ煮るだけ蒸すだけの調理も少ない。ほとんどがオリーブオイルなどの植物系オイルと一緒かバターソテーなど、ハーブやスパイスもたっぷり使います。

しかし、和食で食べる魚介は、魚介そのものの脂分以外の油脂は少く、魚介そのままを味わうことが多い。それがいわば和食の醍醐味です。しかしそれにワインを合わせることで生臭み炸裂、となってしまいます。ちなみにブドウのほか、鉄分の多い果物にパイナップルやあんず、イチジクがありますが、それらと一緒に焼き秋刀魚やイカ、エビを食べても同じく生臭く感じます。

メルシャンが開発した「鉄」の少ないワイン

なお、メルシャンはこの結果を受け、「鉄」の少ないワインを開発し、魚介と合うワインとして発売しています。ここからは私独自の体験になるが、同じワインでも、白ワインより、赤ワインのほうが、生臭みは断然少なく感じます。

理由は、白より赤のほうが、渋みやコクがあるためだと思います。塩焼きならばなおのこと、焼き目の香ばしさと赤ワインのコクは引き立てあいます。さらに先にも記したように、魚介と切っても切り離せないお醤油は、お醤油の旨味と赤ワインのコクがマッチして、生臭みよりもおいしさを感じさせてくれます。

ちなみに、11月第3木曜日はボジョレー・ヌーヴォー解禁日です。ご存知のように、ボジョレー・ヌーヴォーは赤ワインです。飲みやすくフルーティーな赤ワインの代表ではあるが、同じ旬のもの同士、秋刀魚とは相性がいいので、ぜひ、試してみてはいかがでしょうか。

どうしても白ワインというときには、オリーブオイルがけやバター焼きにして、そこに柑橘系果物を添えてみると生臭みも消えてバランスのいい組み合わせになります。秋刀魚の季節、白ワインと赤ワイン、ぜひ、飲み比べ、食べ比べしてみてはいかがでしょうか。

文/友田 晶子

一般社団法人日本のsakeとwineを愛する女性の会代表理事。米どころ酒どころ福井県生まれ。延べ12万人のきき酒師やワインソムリエを輩出し、あらゆるお酒に精通、お酒でおもてなしができる人材を育成。お酒を通じて女性の教育・活用社会進出支援に力を入れる一般社団法人日本のsakeとwineを愛する女性の会(通称:SAKE女・サケジョの会)の代表理事として活動。お酒でおもてなしできる会員数は1500人にも及び、業界初のお酒による総合的な“おもてなし力”を問う検定『料飲おもてなし~SAKE女検定~』を実施している。
https://omotenashi-sakejo.com/

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