
男女でシェアしやすいリアルクローズ
セレクトショップの草分け的存在であるビームスは、今年3月よりZ世代向けのレーベル「ビームスドット」をローンチした。
「弊社はレーベル別にペルソナを設定しているのですが、Z世代が好むようなブランドやアイテムを展開していませんでした。それを知るきっかけとなったのが、弊社のECストアを利用しているお客様の平均年齢です。調べたところ30代後半でした。幅広い年齢のお客様に買い物を楽しんでいただくことと同時に、将来のメインターゲットになる若者に向けたアプローチを強化すべく、弊社ECストアとZOZOのみで展開する新レーベルを立ち上げました」(プレス・梅田悠貴さん)
〝等身大〟であることがエンゲージメントを高める
新レーベルを企画するにあたり、ビームスはZ世代を研究する機関と連携。複数回の意識調査に加え、Z世代に当たるスタッフとヒアリングを重ねることで、Z世代の価値観や感覚を共有した。男女で兼用しやすいジェンダーレスなアイテムを好むこと。横並びにならない程度にヒネリのあるデザインを好むこと。価格は既存ラインよりも低く設定し、さらにブランドの見せ方も工夫した。
「これまでビームスは、スタイルブックなどにプロのモデルを起用してきました。しかし、Z世代は現実主義。あからさまな広告は現実味がないと避ける傾向にあり、インスタでもフォロワー数の多さではなく、親和性の高さを重視しています。そこでリアリティーの追求を勝ち筋と見定めました」
インスタグラムを主軸にPRを展開し、Z世代に絶大な人気を誇るインフルエンサーを起用した。〝10万人のいいね〟よりも〝1万人のいいね〟のほうがエンゲージメントは高くなると考えたのだ。その結果、レーベル発足から半年で公式インスタグラムのフォロワーは目標値の1万人に達した。
「Z世代と寄り添いながら、新たなカルチャーを共創します」
ビームス『BeAMS DOT』
Z世代に向けたレーベルを新たに始動!
2020年3月にスタートしたZ世代向けの新レーベルで、名称は「ビームス ドット」。価格は5000~1万円前後。今の気持ちにフィットしたジャストトレンドなアイテムを提案。
ビームス プレス
梅田悠貴さん
ショップスタッフを経て、2014年より現職。ライフスタイルレーベル「B:MING by BEAMS」、新レーベル「BeAMS DOT」のプレスを兼任。
ビームスが分析するZ世代のペルソナ
【1】家族やパートナーと服をシェアするのは当たり前
【2】現実主義のため価格とクオリティーのバランスを重視する
【3】露骨な広告は敬遠するが、等身大のモデルに親近感を覚える
ココでZ世代の心をつかむ
インスタ活用術
BeAMS DOTはインスタグラムを使ったPRに注力。
人気インフルエンサーを積極的にモデルへ起用
フォロワー数よりもアクティブユーザーの比率を重視。カップルのインフルエンサーを起用していることもZ世代から共感を得るために欠かせない要素のひとつ。
ハッシュタグ上のキャプションで共感の種を蒔く
等身大を演出するためにコメント欄を有効活用。キャプションを使うことで、おすすめする理由をさりげなく見える化している。
取材・文/編集部
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