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なぜ日本のカレーライスには福神漬けがよく合うのか?

2017.08.23

“日本のカレーライスには福神漬け”が良く合う理由

 蒲焼きにとっての山椒、ローストビーフにとってのホースラディッシュのように、その料理を引き立てるお決まりの薬味は案外あるものだ。では日本の国民食ともいえるカレーの薬味といえば? 誰が何といおうと福神漬けに限る。はっきりいって福神漬けは、カレーを食べる時以外ほとんど口にする機会がないほど特殊な存在だ。ではいつから福神漬けとカレーがタッグを組み始めたのか。そのルーツをじっくり紐解いてみたい。

■日本郵船の海外航路に乗れる“スーパーリッチ”が食べ始めた

 カレーという洋食に、当たり前のように福神漬けが添えられる事実に疑問を感じたことがある人はかなりスルドイ。なぜ福神漬けなのか、一体いつ誰がこの組み合わせを考案したのだろうか。

 その歴史を紐解いていくと、時代は明治30年代の中頃までさかのぼる。その当時、日本郵船の欧州航路船上の食堂で出されたドライカレーに福神漬けを添えたのが始まりといわれている。もともとカレーの薬味はチャツネ(野菜や果物に香辛料を加えて煮込んで作るペースト状の薬味)が正統だったが、ある時チャツネを切らしてしまった代用品として福神漬けを出したところ大評判を呼び、次第に定番化したというのが真相のようだ。

 ただし当時の福神漬けは高級品だったようで、二等・三等船客にはたくあんを付け合わせに出していたらしい。ということは、カレーと福神漬けを最初に合わせて食べたのは、一等に乗船したスーパーリッチたちだったのだ。いずれにしても日本人の口に合ったのは、チャツネよりも福神漬けやたくあんといった漬物だったのである。

■そもそも福神漬けって誰が作ったの?

 明治時代中期に急遽代用品として福神漬けが使われたということは、福神漬けはカレーのために開発されたのではなく、それ以前から存在していたことになる。ならば今度は福神漬けのルーツについて迫ってみよう。

 いつ誰が生み出したのか。これは意外にもはっきりしている。1877年(明治10)に、第十五代野田清右衛門が発明した。野田は1675年に上野池之端に創業した珍味や乾物を扱う「山田屋」(現在の酒悦)の後継者である。この十五代目はかなりの発明好きで、のりの佃煮も生み出している。そして福神漬けの開発にも明け暮れ、その試行錯誤には約10年の歳月を費やしたという。

 福神漬けと命名したのにも理由がある。原材料にだいこん、なす、かぶ、うり、れんこん、しそ、なたまめ(刀豆)といった7種の野菜を使ったことから、七福神にちなんで名づけたそうだ。

 福神漬けそのものが広く知れわたった背景には、日清・日露戦争の影響もあった。従軍兵士たちの携帯食に福神漬けが使われたのである。

“日本のカレーライスには福神漬け”が良く合う理由
福神漬けの原点、1675年創業の老舗「酒悦」の『元祖 福神漬け』。7種類の国産野菜を使い、醤油の風味を利かせたキレ味のよさが特徴だ

“日本のカレーライスには福神漬け”が良く合う理由
酒悦の『元祖 福神漬け』は、添加物を一切使用していないため、素材の旨みが際立っており、白飯にかけても美味。ポリ袋200g入り、540円(税込)

“日本のカレーライスには福神漬け”が良く合う理由
同じく酒悦の6号缶入り『元祖 福神漬け』。缶入りなのでポリ袋入りより3倍(18か月間)日持ちする。家庭に常備するには最適。200g入り、378円(税込)

“日本のカレーライスには福神漬け”が良く合う理由
「酒悦 上野本店」では元祖福神漬けの他に佃煮、粕漬、梅干し、各種珍味を販売している。
https://www.shuetsu.co.jp

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